「プラスティック・メモリーズ(TVアニメ動画)」

総合得点
84.6
感想・評価
2365
棚に入れた
11121
ランキング
284
★★★★☆ 3.9 (2365)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ふの人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

さようなら、またね。なので。

いま最終回まで見終わった直後にこれを書いているのですが、
もうどう表現したらいいのか完全に混乱というか放心状態です。
恐らく映画館で見ていたら到底人には見せられない様な顔を
終始していたのではないでしょうか。ニヤニヤも泣き顔も。

展開としてはかなりオーソドックスかつ王道なストーリー構成なので、
突出した特徴はあまり無く最終回の流れも実に解かりやすいものでした。
ただそんな作品だからこそ、キャラクターの一挙手一投足までもが
非常に丁寧に描かれていて企画そのものの力強さを大いに感じました。
目に見える作画面はもとより、キャラクターの置かれた立ち位置といった
人物像を引き立てた構成には心が惹かれました。

この手の感動もの作品はあまりにも物語のトーンを落とし過ぎて
かえって白々しすぎる心象を受けるパターンもあるのですが、
この作品ではあまり落とし込まない、所々にちりばめられた朗らかな描写が
「娯楽」としてのアニメ感を醸し出す良いスパイスになったように感じました。

しかしとはいえ、ギフティアの存在そのものというリスクを許容する社会観と
ワンダラー化によって並大抵の抑止力をも凌駕することになる存在そのものが
人間と共に共生できる世界というのは一体どういう事なのでしょうか。
この世界の人間(もしくはそれに準じた生命)は何故ギフティアを所望するのでしょう?
ペット感覚?家電感覚?それとも本当に愛する自分の「パートナー」なのでしょうか。
あんなにも頻繁に大切な人との永遠の別れが訪れる世の中、自分には耐えられません。

そもそもを掘り返してしまえばかなり世界観の設定にガタつきがあることは否めませんが、
構造的に破たんしているという現実とそれを何としても埋めたいこの心象との
葛藤はどう整理を付ければいいのか、そしてどうそれを形にすればいいのかについては
アイラとカズキの二人を見ているとあまり考えない方が良いのかもしれません。
(個人的には設定の穴というのは二次創作で埋める楽しみもあるので、一概に悪くは無いと思います。)

記憶を取り戻すという最後を予想していた人も多くいたようですが、
それではやはり今まで積み上げてきた世界観が完全に無駄になってしまうので
後継のパートナーの姿を上手くぼかしたのはベターな選択だったのではと思いました。
物語そのものはこれですっぱりとお終い、続きはまた別の物語という事なのでしょう。

それにしても動画工房相変わらずハンパないですね。
OPの導入、画面が一気に明転する個所は初見で非常に大きな衝撃を覚えました。
上の方でも書きましたが、キャラの一挙手一投足がどれも自然そのもので
なんてい愛らしいんだろうと終始目を奪われっぱなしでした。

全体的に抜きんでた特異性というものには欠けてしまった印象でしたが
演出の美しさに関してはかなりのハイレベルなもののよう感じましたし、
王道好きにはたまらない実に美しい世界観を描いた作品だったのではないでしょうか。

投稿 : 2016/04/08
閲覧 : 191
サンキュー:

8

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