どらむろ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ゾンビパニック映画を日本製少年学園漫画でやってみた。低俗さが良い!B級娯楽作としては最高♪
全12話。ゾンビが蔓延し滅亡した世界を舞台に、少年少女たちがゾンビ相手に大立ち回りしたり、露骨に微エロ見せたり。
長い日本アニメ史でも意外と無かった、ゾンビB級映画+学園アクション。
息をつかせぬアクションやサバイバル、(良い意味で)低俗なエロスとバイオレンス、男女の信頼など、全編に渡りB級ゾンビ映画と日本的学園物を融合した展開を見せてくれます。
…名作や良作といえる類では到底無いのですが、B級娯楽作品と割り切れるならば、傑作だと思う。
極めて好みが割れると思われる作品、低俗さを許容できるか否か…?
{netabare}『物語』
本作のゾンビは数も戦闘力も脅威。平穏な学園生活が、突如として終焉を迎える…。
次第に明らかになっていく絶望的状況の中、主人公・小室孝(こむろ・たかし)はじめ少年少女たちは力を合わせてゾンビや、エゴ剥き出しの人間たちに立ち向かっていく…。
バトルもサバイバルも、状況が目まぐるしく動き、毎話ラストの引きも良い。
終始飽きさせない展開見事でした。
状況の絶望度がハンパ無い割には、現実離れした少年少女の戦闘力で爽快にバトルしたり、露骨に低俗なエロス挟んだり、良くも悪くも陰鬱さを感じさせずに話が展開していく。
孝やコータが女性陣のエロスに青少年らしい反応見せたりする辺りも、テンプレながら微笑ましく思った。
非現実的なアクションも低俗なエロスも、むしろ本作の真骨頂でしょう。
これはアニメ(マンガ)であって現実とは違うんですから。
現実ではあり得ん事をガンガン見せてくれるのがアニメの醍醐味だと思うので、「少年少女がゾンビをガンガン倒し、露骨に微エロ見せてくれる」様を存分に楽しめばよろしい!
現実では実銃ブッ放したり槍や日本刀で殺しまくるのはNG(当然)、でもゲームとかでやってみたい気がするのは別に悪い事じゃあるまい。
本作はそんな「現実じゃあり得ないし、許されない事」を、ゾンビだから平気だもん!とばかりにやってくれるから面白い。
コータが銃器楽しそうに撃ったり、冴子先輩が戦闘狂だったり、現実ならば不謹慎。
このアニメも某国で有害指定されている模様、それも分からんでもない。
でも、そこが良いのだと思う。だって、少しやってみたいので(空想限定)
確かにB級。低俗かも。だがそこが…濡れるッ!
主要メンバーが共闘により絆を深めていく流れも良い。
バトルや危機がテンポ良く、毎話引きの良さも相まって、話数進むごとに共闘のカタルシスあり。
男も女も、それぞれに戦い、それぞれに思うところがある。
孝と麗の関係の変化や、孝が毒島冴子を毒島先輩→冴子先輩→そして野蛮な暴力性を自嘲する冴子を受け入れて「冴子」と呼び捨てにする流れも良かった。
崩壊した日常で、浮き彫りになる本性…そんな非日常での共闘で育まれる関係性は、一見底の浅い微エロ連発とは裏腹に、下手なテンプレラノベよりは数段説得力を感じる。
ゾンビの他にも、、醜い人間の本性も生々しい。
不快なシーンも多いけれど、主人公チームがしっかり団結している為か、作風が陰湿になっていない点が良い。
…不平不満ばかりで集団の足引っ張るタイプの愚かしさを風刺しつつ、因果応報なのも正直ざまぁ♪と溜飲下がります。
主人公チームの良さが際立つ。
終盤かなり強引ながらも、世界の終焉な雰囲気が盛り上がりつつ、俺たちの戦いはこれからだ!
…こういうラストは普通評価落ちるのですが、本作は彼らならば生き抜けるかも?という希望を感じさせ、悪くはない締めでした。
総じてB級テイスト満載で低俗な作品なのは確か、でも完成度は高いですし…なにより凄く面白かったです!
これぞエンターテイメント。粗はいくらでもありますが、この作風と割り切れば欠点は見当たらないです。
『作画』
キャラデザは普通なのですが、露骨な微エロが良い。
露骨だが安易に肌色晒さずに微エロに徹している、無意味なおっぱい揺れヨイデワ・ナイカ!
真骨頂は対ゾンビアクション、鈍器や日本刀や槍、銃火器や車で轢く等々、普通はあり得ん!トンデモアクション存分に見せてくれる。
綺麗ではないけれど、勢いが凄い。
『声優』
少年役二人が結構ベテラン、緩急のある演技力が素晴らしい。
諏訪部順一さんの一見普通の少年だがここぞという場面での力を感じる演技良かったです。
勇者王こと檜山修之さんのヘタレ少年、気分ノッてる時は俺ガイルの材木座っぽい。
井上麻里奈さんのヒロイン力高い演技、沢城みゆきさんの凛とした美声も絶品。「濡れるッ!」
喜多村英梨さんのツンデレ女王様もないす。
福井裕佳梨さんの天然お色気もエロい。
沙耶の両親、中田譲治さん榊原良子さんのカリスマ感も流石。
『音楽』
楽曲豊富、B級テイストな本作の雰囲気バッチリ。
次回の引きの上手さと相まって、常に次回へのテンション高めてくれました。
『キャラ』
主人公チームの魅力高し。本作のテーマとして「男らしさ」と「女らしさ」しっかり描かれている。
孝は苦悩しつつもヒロイン達を守り切った、良い男です。
麗や冴子が惚れるのは頷ける。
コータみたいな気弱オタクキャラが存分に本領発揮するのも良い。
銃火器も、男としても本当に頼りになる奴だった。
泣き虫なヘタレさを残したまま、ありのままの姿で活躍するのが好感持てる。
麗は一番女らしいヒロイン。ダメなところもあれど、そこを孝と背中預け合う名ヒロインに昇華、可愛いです。
漫画アニメで希少な槍使いヒロインですし。
冴子さんの頼れるお姉さんだが天然無防備な性格は絶妙、戦闘面では鬼神の如し、でも実は女らしい。
「濡れるッ!」な名(迷)セリフが有名ですが、ネタ抜きに良い女です。
沙耶はあざといツンデレ女王にして、ちゃんとコータの良さがわかるのが好印象。
何気に眼鏡っ子ヒロインなのも素晴らしい。
静香先生はお色気要員、一見一番役立たず…でもパーティーの治療師(ヒーラー)兼凄腕ドライバーですから!
何気にこの人もトンデモない実力者であった…。
ありすちゃんは過酷な状況にめげなかった幼女、可愛い。
彼女の存在も、コータの評価上げてますな。
沙耶両親、高城夫妻も立派な人物であった。チートキャラなので、序盤から出られると孝チームが霞んでしまう、終盤登場なのは良かった。
紫藤先生は非常に危険な敵…と思いきや、意外と実害発揮できなかった感。
あまり活躍されても不快なだけだし、むしろ良かった。
迷惑市民やプロ市民っぽいオバサンは有事では本当に厄介。
オバサンは根は悪い人じゃないんだろうけど。{/netabare}