おぬごん さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
で、結局君たちは何を作ってたの?
高校生男女6人が作った美少女ゲームを、同人ではなく一般ルートで売り出す話
原作はタカヒロ、シナリオは田中ロミオと、美少女ゲームのヒットメーカー2人が美少女ゲームの作る側を書く、ということで期待していました
時期的に考えて「SHIROBAKO」の影響もあったと思われますしね
…ですが、残念ながらそのSHIROBAKOには遠く及ばない出来でした
まず1つ目の問題は、「なぜ美少女ゲームなのか」が伝わってこないことですね
最たる例は、ヒロインの黒田が1話で言った「荒野だから」という発言
「美少女ゲーム市場」を表現したその後も度々出てくるキーワードで、作品タイトルにもなっている言葉ですが、そんなカッコ良さ気な言葉で誤魔化さないでくれよ!
何でもありで勝てば官軍負ければ賊軍なのはどこの業界だって同じでしょ!
美少女ゲームならではの特性とか、それこそ割れ問題とかそういうとこを絡めてくれよ!
「なぜアニメなのか」が作品(そして主人公の)最大のテーマだったSHIROBAKOとは対照的です
2つめの問題は、主人公たちの作っているゲームがどんなゲームかさっぱり分からないことです
もう作中では本当に本当に断片的な情報しか与えられず、かと思えば世に情報を解禁するたび絶賛の嵐
こんなんじゃとてもじゃないですが主人公たちに感情移入できません
「アニメならではの魅力」を存分に伝えつつ、劇中で作品の骨子を表現していたSHIROBAKOとは対照的です
3つめの問題は「美少女ゲームの魅力」が伝わってこないことです
ヒロインの黒田や、黒田に勧められて名作をプレイした主人公・北条が何に魅了されたのか、さっぱり語られません
上記のとおり主人公たちの作っているゲームの輪郭も分からないので、そこから感じ取ることもできません
これなら「月刊少女野崎くん」の4話を見た方がよっぽど美少女ゲームの魅力が分かりそうです
劇中でアニメの魅力、アニメへの愛が常に語られ、話のラストでは絵や映像として表現して見せていたSHIROBAKOとは対照的です
そしてラスト4つ目の問題は、話がとにかく胸糞悪いことです
ワガママで毎回問題を起こさずにはいられないメンバー
結構な問題を起こされても何だかんだでなし崩しに許してしまうメンバー
ライバルとして登場した別メーカーの人間はもちろんクズ
上3つの致命的な問題をほっぽり出して、尺を稼がんとばかりにどんどん起きるトラブル
しかも解決にカタルシスは無く、むしろ疑問符やイライラが残るものばかり
そんなにトラブル詰め込む前に、もっと描くべきことがあったでしょ?
各エピソードを切り取ってもレベルの高い一つのストーリーとなっていたSHIROBAKOとは対照的です
良かった点は花澤香菜のメンヘラっぽい演技と、明坂聡美のウザ演技くらいでしょうか
逆に上で散々触れたSHIROBAKOでズカちゃんをやってた千菅春香は明らかに力不足でしたね…
というわけで気持ち良いくらいの酷評です
製作者側がこの作品で何を伝えたかったのかが本当に疑問でした