「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(TVアニメ動画)」

総合得点
72.4
感想・評価
743
棚に入れた
3425
ランキング
1152
★★★★☆ 3.9 (743)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

久しぶりに見たガンダムは“自ら道を切り開く”ガンダムでした

久しぶりにガンダムの評判がいいと聞きつけて、放送が終わるのを待ってましたが、たしかにこのガンダムはおもしろいですね。

ZZ以来で、その後のガンダムがどんなものなのかさっぱりわからんのですが、主人公たちが単に巻き込まれるだけでなく、強い意志をもって、自らの道を切り開いていくスタイルは新鮮でした。

7話までのテンポのよさは格別で、生き残ってやるんだという気構えと、面前に立ちふさがる勢力への抗う姿勢、してやったりな作戦もあって、いい最終回だったと言いたくなるくらい盛り上がりましたw
ただ、その後はというと、正直、最終話付近まで失速かな。。。

彼らの覚悟を決める、心の内を描いた丁寧なつくりともいえるんですが、自分には間延びした感じがぬぐえなかったです。まぁ、そのあたりは、後ほどネタバレで。

物語はガンダムらしいテーマで、地球民VS諸惑星&コロニー民ですね。
搾取する側とされる側、支配する側とされる側でもあります。

火星で暮らす最底辺の主人公たち。
地球軌道圏外では非人道的な行為も平然と行われていて、人身売買やアラヤシキと呼ばれるニュータイプ触媒を人体に埋め込む手術も横行している。

手術の成功率は3割で失敗すれば死亡。
たとえ成功しても、鉱石場で野垂れ死に同然で命をすり減らして生きるしかない絶望の日々が待つだけ。

そこへ火星民の自由と平等の権利を主張する貴族令嬢が現れることで、彼らの意識と運命が変わってきます。

希望の見えない日々からの脱出は、それなりに代価も必要となるわけで、目的達成のためには多くの友が命を落とすことにもなります。
悲しみが後悔を生み、後悔が自身の選択に迷いを生じさせる。

力強いチームリーダーのオルガにかかる負担と心労はすさまじいものがあったと思いますが、そのオルガに絶対の信頼をおくガンダムのパイロット、ミカの化け物じみた冷静さが際立ってすごかった。

感情が欠如してるっぽい言動に面食らう場面も度々ありましたが、ここまで冷徹になりきった主人公も珍しいんじゃないかな。
というか、クールすぎて痺れました。
戦闘中のセリフの「ごちゃごちゃうるさいな」これいいですね~。

もう二度とあの暮らしには戻らない。
誰がなんといおうが戻らない。
邪魔をするなら叩き潰す。 
と、すごいシンプルです。

秋には続きが!とのアナウンスがありましたが、果たしてこれも25話になるのか? そこが気になります。

以下、ネタバレで~
{netabare}
今回のテーマの根幹にある独立解放であるとか、自由の獲得、平等の権利について、これだとちょっと弱い気がします。
結局、鉄華団が成り上がるというだけで、それが真の火星民の解放につながるのかどうか。
宇宙マフィアかギャングの団員にもなったわけで、理想からは遠のいていっている印象です。

また、火星民やコロニー民の解放を提唱するクーデリアにしても、まだ10代の少女だと思うんですが、彼女にそこまでの影響力があるようにも見えませんでした。
たしかに話題にはなったとしても、議会という魔窟でそれが通用するとも思えないし、最後に議長と資源の分配について話してましたけど、あれは勝手に決めていいもんなの?て感じで、そこまでやられると怖い気もします。

もしも彼女にそこまでの影響力があると思われているならば、コロニーからの脱出の際に拘束されていたと思うんですよね。世界に自由を訴えた偉人は数多くいますが、時の政権に真っ向対峙した南アフリカのマンデラは30年近く拘束されましたし、スーチー女史も途切れ途切れですが同じくらい軟禁されました。それを演説ひとつで黙って見過ごしてもらえるってのは都合よすぎるかな…。まぁ、子供向けアニメだから仕方ないのか。

戦争というテーマならもっと単純で、勝つか負けるかなんですが、権利の獲得は言葉以上に難しい問題をはらんでいます。
法ができても実行されなければ意味がないし、この世界のような恐怖支配はさらなる恐怖支配をうみやすいという現実もあります。

南アフリカでの黒人差別がまさにそうでしたし、しばらくは黒人による白人を裁くための人権裁判という名の密告奨励&魔女狩りも行われました。
ルワンダでの100万人を越える虐殺もきっかけは一方の民族重用の反動でしたし、積年の恨みは恐ろしいということか。

脱線したので話しを戻しますが、今回のガンダムは7話までのモビルスーツによる戦闘シーンの出来が非常によくて熱くなれたのですが、それ以降だと最終話近くまで待たなければならなかった、のが残念なところです。

紋付袴だの、なんちゃら防衛隊だの、よくわからないギャグパートぽいシーンも不要だったし、ちょっと興を削がれた感じか。
丁寧につくりこもうという意識はわかるんですが、弟マサヒロの回もファーストガンダムあたりなら1話で終わらせていたかもしれませんね。

巻き込まれてはじまり、逃げたいのに逃げられず、
立ち向かおうにも強大でうまくいかず、
その間に多くの友が命を失い、迷いに迷いながら、
怒りと悲しみをぶつけながら、
戦争という怪物を自分の中に取り込んでいく…
それがガンダムじゃないかなぁ~という個人的な感想でしたw

追記
ガエリオ=ガルマ、マクギリス=シャアぽかったですね

迫害ネタでいくなら、いよいよザンボット3のリメイクの時がきたか?!
無敵超人いうわりに苦戦してたよねって、まとめ記事のコメントがおもしろかったですw
{/netabare}

投稿 : 2016/04/05
閲覧 : 279
サンキュー:

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