mrt さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
理論で考えて感情で動く
自分の考える『大多数の人間の醜さ』がよく描かれているなと思った。
自らの幸福を当然の様にむさぼり
異なるものを否定し、排除し
群れて安堵し、独り満足する
薄汚い生き物。
私は食用の牛や豚や鳥が屠殺されるのを見た。
薬の開発の為に使用されるネズミとウサギも見た。
ウサギは目薬の実験だったかな?
まぁ他にもイロイロ見て、
メシ食う時にはそれを思い出す。
それを他人に言うと気持ち悪がられる。
人間がたまたま生存競争がお上手だっただけで
人間より上位の生命体が現れたとき、
家畜に成り下がるのは自分たちかも知れないのに。
内臓が飛び出した状態で笑っている兵士
穴の空いた子供を抱きしめ泣きわめく親
腕、脚、胴体、生首、一面に広がる黒い染み……
意見の衝突が激しく、互いに譲歩出来ない時や
相手に抱く嫌な感情が自分のキャパシティを
越えてしまった時には必ず
宗教紛争の動画や写真で見た、悲惨な光景を思い出す。
相手が自分と違う生物だと感じた時、人は比較的容易にその命を奪う。
本当に身勝手なイキモノ。
でも恐ろしい事に、それが【当然】になっている
私が今まで生で死体を見たのは2回
異臭を放つ孤独死した身内と、
東日本大震災で目にした
半分泥に埋まった(多分)おっさんの死体。
青いジャケットが泥の景色の中
ひときわ目立っていたのが印象的だった。
それ等を見たとき、自分と同じ存在だと思えなかった。
可哀想とか、恐いとかそんな感情は全く無くて、
処分に困るただの物体に見えた。
でも私は自分が死んだ時にそう思われるのは少し寂しい。
私も身勝手な大多数の人間の1人だから。
余分に奪って生きるモノの1つたがら。
他の何かの事を考えて生きていく余裕が有るのは人間くらいだろうに、それが出来ないのは悲しいねぇ……
精々、小綺麗に生きようかなと思う作品でした。