ポロム さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
幻想的でまるでお伽話みたい。観終わった後、今まで以上に海に親近感と愛おしさを感じるようなアニメ作品(訂正)
アニマックスで視聴。
以前一挙放送の時に録画して1話を観たけどイマイチハマれなくて断念していた。
またアニマックスで再放送したので少しずつ録画して観ました。
海で生きるために必要な「エナ」という皮膚を持たない陸の人間と
海の中で息が出来る「エナ」を持つ汐鹿生に住む海の人間。
世界は違っても同じ種族の人間なのに相容れない関係だった同士が出会うと
こんな物語ができるんだと、他にない新鮮な設定と気性の激しいまるで海のようなキャラクター達の心理描写に心奪われた。
後に明かされるエナの意味と昼ドラ真っ青な複雑な恋愛関係なのに引きずらない爽やかさが魅力。何より作画が綺麗。スタッフは絶対海が好きなんだろうなぁ。
<感想> ネタバレ込の長文な雑記です。個人的メモなのでスルーしてOKです。{netabare}
観ていた時は「たぶん特別思い入れのあるキャラっていないだろうな」と思ってた。
特に光は最初気性が激しく短気で、すぐまなかを怒鳴ってた。視聴者で光が苦手な人は多いかもしれない。
なのに世話好きで面倒見が良くてどこまでも真っ直ぐな姿が2クールから著しく目立ってきて7人の主要キャラの中でも特に成長したと感じる。
5年の眠りから覚めて変わってしまった街の風景と人々にどれだけ不安を覚えただろう。
それでも平気そうに振舞う強さと、どことない少年らしい表情と仕草に気が付いたら最終回を観終わった時点で光が一番思い入れのあるキャラになっていた。
まなかは光の告白に驚いたのか拒絶していたし、紡とくっつくと思っていたけれど、最終回まで観て納得。
陸の人間に恋する人魚姫(海の人間)の運命の出会いだと私も一話を観た時に思ったけれど、まなかは紡に対しては・・紡=太陽のような届かない憧れの存在で、光=海のような無くてはならない大切な存在なんだと気づくのが良かった。
印象深いのが4話のおじょしさまの事でクラスメイトを疑ってしまったことを教室で土下座して謝るシーン。
ちょうどこのエピソードを観た時に私は職場で初遅刻して20分遅刻して
普段厳しく当たり散らしてきた先輩が代わりに残ってくれたので
言い訳せずに「出勤withスライディング☆土下座ごめんなさい」をして、珍しく笑って許してくれて当たりが優しくなったことがある。
クラスメイトからよそ者の海人だと差別され、光も地上の人間を差別していたのが和解するエピソードであり、その時すかさずまなかも土下座するのをちさきが心配そうに見て「私は出来ない」みたいな事を思っていた時点で
光の思い切った行動にも付いて来てくれるのは、まなかしか居ないと確信した。
ちさきはお姉さん的存在で人見知り、まなかと逆で若干消極的で奥手。
そんな彼女は一番「変わりたくない」変化が苦手な人だった。
皮肉にも汐鹿生4人メンバーの中で一人5年の月日が流れて見た目も年相応になった。
光から「変わってないよ。ちさきは」と言われてホッとする彼女は外見に変化が見られても内面は変わっていなかった。
団地妻の魅力というか・・萌え要素が多かったw
紡との共同生活のまるで阿吽の呼吸のような夫婦的やり取り。
中学の制服を着たピチピチ姿の彼女と海に潜って濡れた艶っぽい姿に何度釘付けになったか・・・w本当にちさき可愛い。
要は4人の中で大人っぽくあるものの、どこか傍観者的で一歩引いたところが皆同い年なのに「自分はこの中で一番大人だから」みたいな感じがなんとなく嫌だったw
だけど、16話のラストでの全裸での登場が紳士的な変態ぽくて凄く好感度が上がったw
こんなに複雑な恋愛関係と描写なのにどうしてこんなに爽やかなんだろう。
どのキャラクターも観終わった後は欠点さえ愛おしくさえ感じる。 {/netabare}
<泣いたシーン>{netabare}
24話のさゆが要に告白するシーン。
踏切で「ずっと待ってた。ずっと見ていた」と想いをぶつける場面が
音楽がいいタイミングで止まって途中電車が走る演出が凄く良い。
電車が間を走るのが秒速5センチメートルを思い出して
「この後、要が消えていたらどうしよう!?」と思ったけど心配なかった。ちゃんといた。
その時に要が「本当は寂しかった。誰も僕を待っていないんじゃないかって・・」と
泣くシーンに思わず「かなめえええぇぇぇ泣」ともらい泣きしてしまった。
要は汐鹿生の家族の描写がないし、感情を爆発させるところも今まで見たことがなかった。相当溜め込んで一人で抱え込んでいたんだろうな。
ちさきがちゃんと返事をしなかったことと要の誠実さから「さゆちゃんのこと、女の子として考えるね」と言った後、なんとなくさゆを意識して気遣ったりしようとするのが見れる。この二人、辛い経験をしたからこそ幸せになるといいなぁ。{/netabare}
聖地は三重県とのこと。
聖地とは違うけれど観終わった後に江ノ島へ海を見に行きました。
人の多い江ノ島の海はどこか緑っぽくて、土日や人がさらに増えると灰色っぽいけれど、穏やかな波の音に心癒されました。
浜辺を歩きながら、「もし汐鹿生の海の人間ならこの海も自由に泳いで陸のように呼吸も苦しくなく出来るんだろうなぁ。」と想像してみました。
また何年かして見直したら感想も変わるのかなぁ。
書きたいことはまだまだありますが、この辺で。
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