蒼い✨️ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
躍動と感動。
アニメーション制作:J.C.STAFF
2015年7月 - 9月に放映された全12話のTVアニメ
原作は、平本アキラによる漫画。週刊ヤングマガジンにて連載中です。
舞台は、東京都郊外にある私立八光(はちみつ)学園。
今年から共学化した全寮制の元女子校(お嬢様学校)に5人の男子生徒が入学。
男子1:女子200の人数比に胸をときめかせてみたものの、彼らは女子から相手にされず。
思春期の男のサガなのか女だらけの環境に欲求が抑えられずに、
彼らは5人で共謀しての女子風呂のノゾキを決行。
その現場を、女子の男子との接触を絶対に許さない裏生徒会の女生徒3人組に見つかってしまい、
暴行を受けたうえに懲役を科せられた囚人として校内にある懲罰棟に入れられてしまいます。
元々、懲罰棟とは重大な校則違反を犯した生徒を隔離して更生させるための施設らしいです。
また、彼女ら裏生徒会は元々共学化には反対であり、
学園には不要な異分子として5人の男子生徒を扱っています。
物語は、男子生徒5人の囚人としての日々と裏生徒会との対決を中心に進みます。
監督は水島努。ヤンマガの編集部からの熱烈なオファーで数年越しに実現したそうです。
水島努監督は、ガルパンやSHIROBAKOなど素晴らしい作品を世に送り出している一方で、
低予算アニメやショートアニメやエログロナンセンスな作品も数多く手がけてるお方ですね。
その水島努監督が本気の予算とスタッフでシモ路線の作品を作ったらどうなるか?
この監獄学園では、興味深い結果になったと思います。
さて、観たところOPがムダにカッコいいですね。
作詞・大槻ケンヂ、作曲・NARASAKIとは!
本編の特徴は、原作のテイストを活かした作画と声優の熱演ですね。
所謂萌え絵とはかなり違う感じですが、女の子は喋らなければみんな美人さん。
モニター越しにいい匂いが漂ってきそうなタッチであり、
OPアニメの裏生徒会3人がとにかく綺麗。でも、喋ったり動いたりしてると笑えるのです。
唇や乳や臀部などのお色気シーンが満載であり肌色成分が多めの作品ですが、色使いが独特な印象ですね。
物語の序盤で裏生徒会書記の花さんが尿意を催して我慢しきれなくなって下着を脱いでしゃがむのですが、
そのときの艶とハリと立体感の有る臀部の色使いに、ただならぬこだわりを感じました。
声優の選び方も絶妙で、ハズレが一人もいないのですよね。
神谷浩史、小西克幸、鈴村健一、浪川大輔、興津和幸、大原さやか、伊藤静、花澤香菜、藤原啓治。
本当に代役が考えられないほど。
主人公・キヨシの好きな人・千代ちゃん役の人(橋本ちなみ)の声も天使みたいで可愛かったです。
展開としては、動機とかやってることとか冷静に考えれば、
こいつら何でこんなに必死になってるの?バカなの?ですね。
出てくる人達は殆どがどっかで頭のネジが外れてるし明らかに警察に通報されるべきなのもいるしw
しかし、出てくる人達全員が真剣なんですよね。
下心満載で不純ではありますがキヨシたち5人がそうですし、
抑圧する側である裏生徒会の3人だって大真面目。
真剣だからこそ!そこに可笑しみがあり、涙あり、友情あり、人間関係のほつれも生まれたり。
登場人物は作家の創作物ですが、監獄学園のみんなは自分の気持ちで動いてる躍動感を持った人間。
更には声優の熱演が登場人物に魂を吹き込んでいます。
無茶苦茶最低な台詞を神谷浩史のイケボでかっこよくキメちゃう主人公キヨシとか、
小西克幸の好演で一言一言が絞りだすように魂がこもってる三国志オタクのガクトとか、
ジョナサン・ジョースターの声でドM変態ぶりを発揮している、外見が地獄のミサワっぽいアンドレとか、
普段は優しいお姉さんボイスで癒やしてくれる大原さやかさんが今作では敵役の裏生徒会長役だったり、
エロスとバイオレンス担当ではあるが、それだけではない副会長役の伊藤静の演技も満点ですし、
花澤香菜もね、ただ可愛いだけの役よりも必死過ぎる暴力魔の花さんのキレッキレの演技が魅力的でした。
これらが全部棒読みだったら全然面白く無いんだろうなと思ったり。
とにかく監獄学園は熱いのです。
エロとバカのフルコースを味わう作品ですが、それだけではない勢いが全体から溢れています。
展開は原作を忠実にアニメ化した感じなんでしょうが、
手抜きなく最高のクォリティで仕上げてくれました。
原作付き作品としては理想的な出来栄えだったと思いますね。
また、2期を予感させるような最終回であり、
原作が一段落したら2期をやって欲しいなと思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。