りくりく さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
切ないエゴイズム
文字通り涼宮ハルヒが一夜にして消えてしまった世界に一人取り残された主人公の話。
{netabare}長門の恋心を描いた作品だった。
傍観者にしかなれない、変えてしまいたいほどの世界は、しかし想い人の愛する世界だった。
自分を見ていない事は明白で、さらに自分に振り向かせる事は容易だっただろう。それでも彼女はそのままの彼の事が、自分を見ていない彼の事が好きだったのだろう。
一つの抜け道はその理解したくない理解から来ており、行き場のない恋心が、せめてもの慰みに創ったのがあの世界だったのかもしれない。
あの入部届けを返されるシーンはすごく胸に来るものがあった。頭の切れる彼女はこうなることを予測できないはずがない。それでも何もせざるを得なかった。そして、想定した結末に到達してしまった。{/netabare}
切ない恋心がこれでもかと胸に来る作品だった。