けみかけ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アードマン伝統の30分スペシャルとして作られた最初で最後のショーン!?
2015年クリスマス、本国イギリスで30分のスペシャル番組として放送された『ひつじのショーン』最新作
通常の『ショーン』は7分の作品ですが、これまで伝統的に『ウォレスとグルミット』のみで作られてきた30分のスペシャルバージョンを、前作『バック・トゥ・ザ・ホーム』で手応えを感じていたアードマン・アニメーションズが今年は『ショーン』でスペシャルを!と作ったのが今作です
これを劇場公開したのが日本バージョンであり、劇場公開に踏み切ったのはナント日本だけだと言うのだからこの手を逃すのは惜しい
それだけ『ショーン』は日本での評価が高いらしいんです
知らない人の為に軽く解説すると『ひつじのショーン』はイギリスのアードマン・アニメーションズが制作する主に粘土を用いたストップモーショアニメ作品で、『ウォレスとグルミット』から派生したシリーズ
『ウォレスとグルミット』との最大の違いは『ショーン』にはセリフらしいセリフが無い一種のサイレントアニメであること
老若男女、万国共通に楽しめるシリーズなのですね
本編の前には『ショーン』のテレビシリーズ1期&2期より傑作選が5本流されます
“Saturday Night Shaun(サタデー・ナイト・ショーン)”
“Party Animals(パーティーをしよう)”
“Two's Company(ショーンの恋)”
“Timmy in a Tizzy(ティミーのぬいぐるみ)”
“Save The Tree(おもいでの木)”
の5本
いやまずこの5本が選ばれたことに感動
この5本は本当にシリーズの中でも最高傑作クラスの5本で、それぞれにこのシリーズの喜怒哀楽の鋭く尖った部分が濃縮されています
コレを劇場のスクリーンで観れることにまず感謝
そしていよいよ本編、『いたずらラマがやってきた』が始まります
牧場主とビッツァーが見本市へ行くのを見て勝手に着いて来たショーン
見本市で出会ったのは3匹のラマ
ラマ達はとてもいたずら好きでショーンとはすぐに意気投合
ショーンは牧場主を騙して競りに掛けられていたラマ達を落札させる
牧場にやってきたラマ達は牧場主やビッツァーの言うことなど全く聞かず、ショーンと悪ふざけばかり
そんなラマ達にあきれ返る牧場の仲間達、流石のショーンも深刻に感じていたがそんな矢先、遂にラマ達は牧場主を監禁し牧場を乗っ取ってしまった・・・
移民問題に揺れる国のクリスマスに、南米からやってきた動物であるラマがショーン達の牧場を荒らす話をやる、、、とは何とも皮肉めいてますね(笑)
これぞブリティッシュジョーク、正直あんま気持ちの良い内容では無いw
ただちゃんと家族一緒に観れる作品であることには変わらず、ちゃんと心温まるオチが付いています
30分スペシャルらしくキチンとした起承転結があって長篇映画に近い構成で、恐らく初めて『ショーン』に触れる人でもサクッと観れるでしょう
ただ前作『バック・トゥ・ザ・ホーム』があまりに大作だったのでそれと比較してしまうとお話も画面クオリティもスケールダウンは否めない
致し方ショボくも、テレビシリーズほどあっさりしたモノでもないため、些か中途半端かな、と個人的には感じました
やはり『ショーン』は7分短編か、長篇並みのクオリティが欲しいというのがオイラの結論です