フローズン さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
それぞれ単体でもいいし、拡張的に面白さを広げる互換性もあってすごい
・封切り時に劇場で視聴
・先日フジテレビで放送されたので2回目の視聴、録画したものを3回目視聴
・2001年に公開された『モンスターズインク』の第2弾、しかし続編ではなく前日譚。インクがかなりクオリティが高くバランスのとれた作品だった事や、年月が空いただけに求められるハードルはかなり高かった
・しかしそれを軽々と超えるものを見せてくれるさすがディズニー&ピクサー
・冒頭は少年時代のマイクのエピソードから始まる、アバン~OPの流れがワクワク感を募らせる
・やはりCGグラフィック技術の向上に驚く、マイクの宝物である古ぼけたキャップの質感からしてすごい
・一つの画面でものすごい数のモンスターが挙動する様は圧巻。見切れていたり、対象が小さくても動き方ひとつの細かさ、こだわりを感じる
・ストーリーは微妙に見てる側に微妙に負荷を掛けられている感じが楽しくもあり若干辛くもある
・その後を知っているだけにユニバーシティで見せられている様に感じるモヤモヤ感は何とも言い難いな。ランドールを最初は「よくいるイイ奴」として出すあたり、うまいよな~。でも切ない
・サリーは昔、チャラくてヤな奴だったてのも面白くはあるんだけど、インクを知っていたらなんだか落ち着かない。手のひらで転がされてるような感覚
・クラスカーストの低かった私にとって、一昔前のチャらい大学描写も落ち着かなくてそれはそれでいいスパイスだった
・序盤で絶望に落とされて、その後は這い上がりという構成、それの推進力のほとんどがマイクのポジティブというのは単純だけど、結局はかなり元気づけられる。すごく健全だ
・キャラで見ていくと、ウーズマカッパ好きすぎる。全員のフィギュアが欲しいな~
・前半のサリーの様にこいつらとは一緒にされたくないみたいな気持ちも分かるし、大会を勝ち抜いた後のように唯一無二の仲間だと思う気持ちも分かる
・スクイシーとスクイシーママに和むし、アートの自然なキチガイぷりに笑ってしまう
・サリーには前半は妙にざわつきを感じながら見ていたが、クラブハウスでのパーティあたりからカッコよくなってくる。ラスト辺りはちゃんと抱きつきたくなる「ニャンニャン」に近くなってて嬉しい
・サリーは今作で性格としての深みが増したけども、マイクはちょっとポジティブ一辺倒すぎた気も。そこに元気づけられる意義はあるけども、終盤人間界のログハウス、湖のほとりのシーンで少しばかり人間味(?)モンスター味が見えて安心する
・見どころのシーンは2つ。インクに潜入したあとのモチベーション向上~トレーニングのダイジェスト。もう一つは、子供たちの休むログハウスにマイク単体で乗り込んでからの一連のくだり。
・人間界の森のシーンは照明、光彩が素晴らしい 赤と青のランプや懐中電灯など。光という人間の強さが出ているし、その後のハウス内でのモンスターの強さと対称的で記憶に残るシーンでもある
・大会のラストで不正を働くシーンは見ていて「やめてくれよ」となってしまうね。
・ロズやCDAの登場でもやはり安堵感を得る。前作からちょっと浮きかかっていた所からの地続きだと思い出させてくれる
・話の落としどころである、郵便係への就職。退学したけど腐らずにサリーを許して、それでもインクを目指すマイクの視野の広さと懐の広さに感動するし胸を打たれる。学ぶべき点も多い
・書きなぐって長くなってしまった。全体の感想としては、単体としてもインクの前日譚としても素晴らしい作品だった
・細かい描写やCGの技術など目を見張る点は今作の方が多く、クオリティの高さは随一だった。しかし、インクの物語を知っている上での微妙な負荷を感じてしまい、好み、快感は前作の方に多く感じた
・そもそも、完全なモンスター世界よりも人間(人間界)との交わりが多い方が個人的な好みなのかもしれない。
・見る順番は公開順に、初代インクを見てからの視聴がおすすめかな。そしてまたインクを見ることで感慨深くなる点が増える。それぞれ単体でもいいし、拡張的に面白さを広げる互換性もあってすごい作品ではある