タケ坊 さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
オリジナルアニメ制作の難しさ
CG屋、として数多くのアニメ制作に携わってきた、
サンジゲンの設立10周年を記念して制作された、オリジナルアニメ。
視聴前はかなり期待していた作品だったのだが、
蓋を開けてみると、他の制作会社が同様に直面しがちな問題、
「オリジナルアニメの難しさ」、を改めて感じるものだったように思う。
☆物語☆
ロボット、バトル、SFファンタジー要素で構成されたもので、
ブブキとブランキ、ブランキ使い、という設定や世界観は個人的に斬新で面白いと思うのだが、
肝心の脚本が非常に勿体無いように思う。
とにかく、ロボット&バトルものなのに、物語の方向性や本筋が解りづらい。
視聴者としては、この手のジャンルのものには、単純明快さや痛快さを求めているように思うのだが、
そもそも最初の段階で、多くの視聴者の心を掴むことに失敗しているのではないかと思える。
善と悪、A VS B という対立軸さえあれば良いのに(少々単純化して言ってるけど)、曖昧さを含んだまま、
C や D といった勢力が出てきて、これでは視聴者が混乱するのも無理は無い。
また、その主人公と敵、という対立軸に関しても、非常に違和感を覚える描かれ方をしている。
これは去年観た「ガンダム Gのレコンキスタ」と同様の現象が起こっているように思えてならない。
これらの解りづらさと違和感は、大人の自分でも感じることなので、
子供が観て面白いアニメ、には到底思えない。
(こういうロボットやらバトルアニメって本来子供が好きなアニメだよね?)
どうやら2期があるようだが、巻き返しは果たせるのだろうか。。
☆声優☆
人気と実力を兼ね備えた豪華なキャスティングは非常に好印象で、個々の演技も良い。
個人的な注目としては、レオコ様演じる潘めぐみさん。
「俺物語!!」の凛子役とは全く違った声で、正直同じ人物だとは思えないが、
これからが注目される声優さん、として抜擢されたんでしょうね。
☆キャラ☆
この手のジャンルのものでは主人公、東の魅力が薄いというのは致命的で、
むしろ敵であるはずのレオ子様の方が魅力があるように思える。
(まぁある意味レオ子様も主人公なのだろうが)
主人公グループのメンバーには背後にドラマはあるものの、イマイチその部分で引き込むには弱さを感じる。
アメリカやロシアのキャラは、急にギャグアニメを思わせるような描かれ方をしていたり、
シリアスなんだかギャグなんだか。。やはり物語同様解りづらさがある。
ブブキの右手ちゃんが可愛い、というのはどういうことなんだ。。。
☆作画☆
この作品の一番の見どころは、ハッキリ言って、やっぱり作画(CG)に尽きると思う。
従来のアニメは原画メインでCGを部分部分で効果的に使う、というものが殆どだが、
この作品は殆どがCGで作られている。
しかしながら、ポリゴン・ピクチュアズがやっている、フルCGの作品とは違い、
(この作品も一応フルCGにはなるのかもしれないが)
これまでのアニメのように、違和感を感じることはさほど多くなくなったと感じる。
(もちろん個人差はあるだろうが)
これはキャラの表情など、手描きの紙原画でないにしろ、ちゃんと作画部分があるからで、
(HPには出てないが、エンド・クレジットにはデジタル作画部 原画担当4名が出ている)
従来のアニメとはバランスが全く逆のものになっている。
また、テレコム制作の「ルパン三世新シリーズ」でも見られたような、輪郭線の描き方が非常に特徴的で、
敢えてセル画を意識して仕上げてあるのは、かなり労力を要するものだと思う。
肝心な動きに関しては、お手のもの、と言わんばかりの迫力あるバトルシーンが描かれている。
正直作画の点数評価は他の制作会社のものと比べて、殆ど類を見ないものなので(CGと作画のバランス)、
評価自体が難しい。
今後の期待を込めて敢えて4.5点を付けさせて頂いた。
☆音楽☆
OPは主人公たちを表現したものとしては、アニソンとしてよく出来ていると思うし、
EDは単純に格好良い曲、EDアニメーションと歌詞に注目すると、レオ子様を表現している曲、
と解釈出来るようにも思う。
また、作中のBGMはバトルシーンでは非常に迫力のあるものが使われているのが印象的で、
こちらも作画同様に抜かりなく作っている、と感じた。
まとめ
とにかく設定や世界観は面白いが、解りづらい。
(決してあれこれ直接的な説明が足りない、と言ってるわけじゃない)
声優、作画、音楽に関しては、さすがに力を入れているというのが判る。
1期で感じた違和感や解りづらさも、2期でひっくり返すような展開が待っているなら我慢できる、
と言った感じで、なんだかんだ2期には期待したいと思っている。