おぬごん さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
考えるな、感じろ!
『とある魔術の禁書目録』で知られる鎌池和馬のライトノベルが原作
「オブジェクト」と呼ばれる新兵器(巨大戦車)により戦争が一変した世界で、生身でそのオブジェクトに立ち向かう2人の歩兵・工作員の物語
「とある~」とはまた違う題材ではありますが、巨大な戦力に生身で立ち向かうというシチュエーションにはなかなか燃えるものがあり、作者の発想の上手さを感じます
しかしこのオブジェクトというのが何とも舞台装置に成り下がっており、魅力を感じることが出来ません
まずそのフォルム。真ん丸。ほんとにダサい。これじゃあロマンもへったくれもありません
なるほど、古今のロボットアニメのロボットが人型に設定されている理由が分かった気がします
そして核の攻撃にさえ耐えるはずのオブジェクトですが、もう至る所に脆弱性が潜んでいます
もう作者のさじ加減ひとつで後から後からいくらでも弱点が出てくるんですね
これじゃせっかく主人公たちが白兵でオブジェクトを破壊してもカタルシスが全くありゃしません
ただ肝心のオブジェクト破壊の戦闘面は微妙なんですが、話の展開というか、政治的、戦略的な世界全体の動きというのはそれなりに引き込まれるものがあるんですよね
あとは各戦闘が2~3話程度で終わるのでテンポが良かったのも好印象でした
キャラクターでは、ヒロインのお姫様ことミリンダがそれはもう可愛いですね!
正直お姫様の可愛さだけで見続けられたようなもんですよ!
他のキャラも魅力がないわけではないんですが、とにかく喋り方がうざったいんですよね
「とある~」のようにトンデモな語尾のキャラはいませんでしたが、アメリカの戦争映画を意識したような、二言目には枕詞に「くそったれ」が付き、長ったらしい皮肉を大量に交えたセリフ回しには辟易しました
あとは音響面の貧弱さが気になりました
作品の性質上、爆発のシーンがよく出てくるのですが、この作品の爆発音…やたら軽いんですよね
山をも消し飛ばすほどの爆発のはずなのに、基本的に「カタカタカタ…」「パラパラパラ…」って感じの音ばかり
この音響面もオブジェクトのショボい印象を拭えないようにしてしまっていたように思います
「とある~」とはまた違った題材ではありますが、話の展開は燃えるものの、戦闘面では作者の「俺ルール」が幅を利かせていて考えるだけ無駄、キャラは良いけどセリフがうざい、とやっぱり作者の作風を感じさせる内容でした
「B級」という言葉がぴったりなアニメだと思います