退会済のユーザー さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
微妙
自分なりの解釈ですが、人情の恐ろしさを描きたかった作品ではないかと思いました。
12は優しさからりさをかくまうわけですが、そのせいで厄介な事態になり、結局秘密兵器の原子爆弾のありかを言ってしまうに至るわけです。12はりさを助けたことを後悔しながらも、自分たちを必要としてくれてありがとうなど言うのですが、客観的に見てとんでもないことじゃないですか。
12はエゴでりさを助けました。それも9の反対を押し切って。理由はかわいそうだから。9からすればたまったもんじゃないでしょう。大いなる復讐、何年もの歳月が経ってからのです。どれほどの怨念が宿っていたかは想像に難くありません。成功させなければ、ならないのです。なのに、12はかわいそうだからとこの期に及んで助けたわけです。足手まといになると承知しながらも。アホでしょ。コナンの犯人レベルですよ。
しかし、そのアホさこそ描きたかった部分じゃないかと考えるわけです。
情けは人の為ならずという諺があります。
「情けは人の為だけではなく、いずれ巡り巡って自分に恩恵が返ってくるのだから、誰にでも親切にせよ」という意味らしいです。
これは嘘だとこの作品が証明してくれます。いくら自分が相手に親切をしたって、相手がとびきりの無能であれば、恩恵が帰ってくるわけがありません。12はりさに感謝をしていましたが、そもそも彼の目的は「アテネ計画」を世に知らしめることで、その目的を遂行するために邪魔でしかなかったりさに感謝するのはどこかおかしいわけです。ただ、それらを踏まえてもなお、理性では割り切れない人間の感情的な部分を描きたかったのではないかと思うのです。
多分考えすぎです。
実際は、囚われヒロインを助けに行くというお決まりのシーンを見せたかっただけです。ヒロインを助けたのも、色気の一つもないと画面が灰色になってしまうからという最低限の配慮です。
ここまで来て全否定かよって話ですが、見方によってはそういう風にも見られるということで、下手な考察を一つ提示したかったので、一応書いて見ました。
補足で、項目ごとの点数について
物語
雑というのが総評。序盤は謎解き要素や警察との対決があって、デスノートっぽくて楽しめたが、中盤から5とかいう全能キャラの登場で、一気に冷めてしまった。職権乱用にも限度があるぞと言ってやりたいところです。あと、主人公たちの犯行も雑です。これ無理だろと思われるのもいとも簡単にやってしまいます。ご都合と捉えるか、仕方がないと捉えるかでこの作品を楽しめるかが変わってきそうです。もう一つ気になったのが、主人公たちの資金源です。自分お記憶では一度も明言されてなかったはずなのですが、一体どこからのお金だったのでしょう。これもご都合と流してしまえばそれまでですが。
作画
良好。さすがです。
声優
こちらも素晴らしかった。特に、ヒロインの中の人。慌てたしゃべ方がうまい。無能っぽさの出し方もうまかった。あと5の中の人の英語うまかった気がします。素人目線ですけどね。
音楽
攻殻機動隊で有名な菅野よう子さんということで、順当な仕上がりでした。ただ、OP、EDともに暗く、盛り上がりどころがなく、ちょい残念でした。作品にはぴったりだと思いますので、これは自分の落ち度です。
キャラ
掘り下げが微妙すぎる。全員うわべだけをなぞらえた感じ。特に5。ぽっと出てぽっと死んでいったくらいの印象しか抱けなかった。一瞬の輝きもなかった。ただユベルのようなヤンデレ女としか思えなかった。実際、それであってそうなのは悲しいところです。とにかく、全体的に魅力が感じられなかったのが残念。
キャラよりストーリーを見せたかったということであれば、うわべだけなぞらえたのはよかったのかもしれないですが、そこは自分は全然わからないので、保留します。
総じて言えば、細かいところは気にしない、ゆってぃ的な人であれば楽しめる作品だと思います。もちろんゆってぃじゃなくても楽しめますがね。