takekaiju さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これはガッチャマンではない
元祖である『科学忍者隊ガッチャマン』を見たことがないので比較できないのだが、これはガッチャマンという名前の別アニメではないか。
タイトルと視聴者の先入観でだいぶ損をしていると思う。
子供が喜ぶヒーローものかと思っていたが蓋を開けてみると、正義とは何なのか問いかける深いテーマ性もある社会派アニメだった。
ヒーローものだからと善悪の二元論で語られるのではなく、ヒーローとは何か、社会正義とは何か主人公たちの意見が分かれるところが面白い。パイマンや清音のように勧善懲悪を掲げるガッチャマンがいる一方で、人々の自発的な善なる行いをサポートする累がいたり、他者とは違った視点から物事を眺めるはじめがいたりする。
物語の中ではベルク・カッツェが敵=悪としてが明確に提示されているのだが、作品の裏テーマとして真の敵は「人々がお互いを信じきれない未熟な心」にあるように思える。悪役を倒すだけでは本当の平和は訪れない。人々の意識が改革されることで平和と呼べるものに近づくことができる。
限られたヒーローが正義を守るのではなく、社会を構成するみんなで正義を実現しようというただのヒーローアニメではないところが面白かった。
OPはめちゃくちゃかっこいいのに、変身後のガッチャマンのデザインはかなりだざい。元祖ガッチャマンのなごりがあるとすれば、一昔も二昔も前のデザインだろうか。