ワタ さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

ビルはひとーごみーのオーバー♪

ギャルゲ(エロゲ)原作アニメのパターンとして
①各ルートを順々に消化
②各ルートを並行させてラストは一つのルートに収束
③オムニバス形式

大体この3パターンで、CLANNADは②寄りの①という感じでしょうか。
風子→ことみ→杏＆智代→渚という順で進みますが、最初から最後まで通して見ると
朋也と渚の出会いから始まり、演劇部の再建を目指す中で絆を育み、ラストで二人は結ばれる。
一見朋也は多くのヒロインにちょっかいを出しているようで、やや不誠実な感じはありますが
上記の主軸があるので、ギャルゲ原作にありがちなこの問題はクリアされてると言っていいでしょう。

また、ハーレムな感じを軽減させる意味で春原の存在が良いアクセントになってます。
岡崎最高！ってより春原最高！って感じですねｗ　春原ホントいいキャラしてます。
各ヒロインの可愛さも尋常でないレベル。
首をちょこんと傾げたり、あたふたと手を動かしたり、表情の変化とかも凄く動きが細かい。
京アニのキャラを可愛く魅せる技術と情熱は、他の制作と比べても一線を画していると思います。

各ルートの内容は、相変わらずkeyらしい、阿漕なまでに視聴者を泣かそうとするお話の連続。
キャラもストーリーも綺麗過ぎる気がしないでもないですが、感動させられた以上文句は言えませんｗ
BGMが反則的ですよね。挿入のタイミングがホントいやらしい！でも感動しちゃう・・・ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

ところで、18話が秀逸な出来だったのでちょっと触れてみたいと思います。
所謂、渚ルートが確定する回で、そのためには智代と藤林姉妹のフラグを折らなきゃいかんのですね。
渚が体調不良で不在の中、朋也の渚への想いが膨らんでいく。数日後、渚は復帰。
智代と男子テニス部エースとの試合を見守る二人、その仲睦まじい姿に藤林姉妹の表情は・・・
ボールが渚にぶつかるアクシデント発生。心配して渚に手を伸ばそうとするテニス部の男、
その手をバシッ！と払い除ける朋也。その光景を見てしまった藤林姉妹と智代・・・

あまりにも残酷な三人の恋の終幕。本当にえげつないシナリオ、演出でしたね。
姉の気持ちを知りながら、自分のワガママを押し通そうとした椋。
妹の恋を応援しながら、朋也への恋心を抑えきれなくなった杏。
「お姉ちゃん、ごめんね。今まで、本当に・・・」
見ててうわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ってなりましたよｗ　表情が、二人の泣き顔があああああああああああ！！！！！
このシーンで流れる「オーバー」を聴く度に、この情景が思い起こされ、胸が張り裂けそうになります。
藤林姉妹とは対照的に、きっぱりと諦め顔な智代。その清々しさに惚れ惚れします。
この3人を一つの構図に収めるカットが、実に印象的でした。


てなわけで、幻想世界の謎・智也と父親の確執などといった多くの伏線を残しつつ
続編のアフターストーリーへと物語は続く・・・