蟹チャーハン さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
少女たちは道具であり兵器であり、それでも少女であった
なんという重い真実の積み重ね。
一度は死を迎えるはずだった少女たちに命を与え、
それが誰かの命を奪う運命とは、なんとも皮肉なものです。
半ば機械の身体のような人工的につくられた少女たち。
あくまで延命。
生きられても20歳そこそこで皆亡くなる運命。
周囲の教官たちの態度も少女とみるのか、任務のための道具をみるのか、
驚異的な肉体から兵器としてみるのか、それぞれ違ってきます。
どれも正解なのだろうけど、でもやはり少女なんですよね。
フィクションとわかっていても、
もし教官の立場が自分ならどうするか、考えてしまいます。
兄として接するのか、父親なのか、それとも恋人なのか、も。
見ていれば当然、彼女たちに肩入れしていきます。
仕事と検査の日々。
それは言い換えれば 暗殺とメンテナンスということに。
一見、まるで救いのない世界のように思えても、
案外、渦中の当事者である少女たちは割り切っていて、
貴重な自由時間をくつろいで過ごしたりもしています。
そんな短い登場シーンでの会話がすごくいいのも
この作品の特徴でしょうか。
上手に紡いでキャラの個性がよく出ています。
短い言葉からでも、それぞれの秘めた願い、思いがわかります。
この物語は悲劇で終わるしかないのだろうとわかっていても、
どうにかならんかともがく自分もいたりして、
なんとも思い入れのできやすい、罪つくりな作品だと思います。