sekimayori さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
安心感と手軽さと 【68点】
元ひきこもり(カ〇マ「引きこもりじゃねーし!」)が命を落とし転生した先は、常識の斜め上を行くヒト・モノ・コトが満載な素晴らしい世界で。
「小説家になろう」連載から商業ベースに乗ったライトノベルを原作とする、異世界ファンタジーコメディ。
■感想
カズマさんまじ苦労性とかアクア様まじ駄女神とかダクネスまじくっ殺とかめぐみんまじ爆裂かわいいとかあるんですが。
端々から安心感が漂う、バランス感覚に優れた良作だったと思います。{netabare}
まず物語展開・設定面。
「なろう」の代名詞(偏見で失礼)異世界チートハーレムのテンプレをうまく茶化しつつ、やってることはそこから逸脱し過ぎない。
異世界チーレムの欲望開放っぷりには思わずのけぞってしまうんですが、初手からそのテンプレを笑いに来てるので、私のような視聴者も「どぎつい方向には走らないだろうな」とガードを下げて観られます。
同時に、幸運値の高さや各人の高性能さ、過剰にならないご都合主義で、ゆるーい成り上がりものとしてしっかり成立していて。
ただの行き当たりばったりではなく、作品に背骨が通っています。
成り上がりの範囲・目標も、「とりあえず生き延びる」→「馬小屋を出て家を買う」⇔「でも始まりの街から出ない」という高望みしない感・サバイブ感が、キャラの残念さを底上げしつつ社会意識にもマッチ。
ギャグや掛け合いのテンポが良いのはもちろんですが、そういう部分にスッと入っていけるのは舞台設定のバランス感覚も大きいのかも。
どんなに主人公たちに有利or不利な展開でも「きっと残念で不憫でそこそこ幸せな結末に落ちるな」という安心感は、日々のポーションとしての深夜アニメにはおいしいですし。
肩ひじを張らないで済む、という点では、キャラデザもすごくいい仕事をしているように思えます。
どこか全日帯アニメを思わせるキャラのデザインは過度に萌えを意識させず、ハーレム感を薄め、ギャグに集中させてくれる。
それでいて、動くと表情が非常に豊かです。
表情がコロコロ変わる女の子ってめちゃくちゃ可愛いよね。
感情が伝わる=コミュニケートできてる喜びが上増しされるからかな。
やっぱ女は愛嬌ですわby度胸の無い男
ついでについでに、子守唄を思わせるEDもなんだか懐かしく、ひとしきり笑った後にほっと一息つかせてくれます。
一方で残念だったのは、ドタバタ劇への視聴者の慣れ、では説明できないくらい、回ごとに面白さのばらつきも大きかったこと。
特に金崎監督担当回は抜群の安定感だったので、コメディ作品は演出とテンポが生命線なのかも。
また、ギャグとそれ以外の断絶が激しい。
(誰もシリアスなんか求めてないとはいえ)シリアスな流れをギャグで落とすのではなく、流れの中に唐突にギャグを持ち込むと、テンションの乱高下に白けてしまったりもしました。 {/netabare}
■祝・二期決定の周辺
異例(?)の放送中に二期決定!がなされたそうで。
昨今のアニメ消費に欠かせないコメント付き動画サイトやtwitter、2chまとめサイトでの人気に支えられた感もありますが、なんでそんなにウケたのか。
個人的には、パーツで取り出せる面白さ、だったのかとも思います。{netabare}
一つは構成面でのぶつ切り感。
4コマ漫画原作アニメ風のアイキャッチを多用したり、一見シリアス調な戦闘の中にギャグを突然放り込んで来たり。
もう一つは声優陣の演技。
オーバーなまでのテンションやアドリブで、耳だけでも楽しめます(キャスティングも素晴らしい)。
そのどちらにも、視聴者が場面々々のみで楽しめる工夫がなされています。
「その瞬間」を切り取るキャプチャー画像や、切り取った上でごちゃ混ぜに再構成したMADでも、本来の場面で提供された面白さを十分に再現することができます。
もっと単純に、短文のコメントによる手軽なコミュニケーションの場では、「あの場面面白かったね」が通じるのは強いという面もある。
楽しさの共有にかかる流通コストが少ない、というのは、ネットでヒットするアニメのひとつ大きなファクターかも。{/netabare}
いずれにしても、いかに視聴者に一瞬を楽しませるかという点での制作陣の細かな配慮が報われたということに変わりはないでしょう。
二期も安心して楽しみに待ちたいと思います。
あ、メインヒロインはめぐみんかと存じますが、アクア様がたまに見せる世話焼きお姉さん感が大好きです。
エリス様のパッドよりもぜひそこの増量をお願いします←(`・ω・´)σ・*+。・*エクスプロージョンッ〇○
【個人的指標】 68点