アイン さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
プロットはしっかりしてる
脚本はEver17や極限脱出シリーズなどのアドベンチャーゲームで有名な打越鋼太郎。このアニメももともとはゲームの企画が先のようです。
この人の作品に共通することはキャラクターや世界観を中心に話が作られているのではなく、「仕掛け」を中心に物語が考えられていることだと思います。
このパンチラインという作品は、5話くらいまででは「主人公がパンツを見たら世界が滅ぶ」という設定でしょうもないギャグがずっと展開されていきます。
この辺はけっこうひどいかもしれません。人によっては見るのが苦痛だと思います。
ですが、6話あたりから徐々にこの作品の「仕掛け」の部分が明らかになります。それまで当たり前だと錯覚させられていた事がひっくり返るあの「えっ?」ってなる感じは流石だなと思いました。
具体的にいうと主人公に対してあるキャラクターが {netabare}「でもあいつ、女だしなぁ」{/netabare}って言うシーンは「えっ?」ってなりました。
この辺りはEver17みたいなどんでん返しが好きな人にはかなり面白いと思います。
終盤はちょっと突拍子もない感じはありますが、話のオチとしては綺麗な終わり方だったと思います。
プロットだけ見るとある3人の男女の切ない物語として良くできていると思いました。
しかし、1クールアニメとしての構成が良くないのか物語の進行が遅く話がダレているように感じました。
それともう一つ、やっぱりギャグのセンスがちょっときついと思いました。これに関しては打越さんの他の作品もギャグはけっこう狂ってるなーとは思っていました。
麻枝准脚本のシャーロットでも思ったんですが日本のアニメは作家主義が強すぎるのではないでしょうか。
監督とか脚本家とか一人の作家が持ち上げられて、その人が表現したい事が表現できることが美しいって思われているような気がします。
でも、そんな事はなくて例えばこの作品でもシャーロットでもギャグだけは別の脚本家に任せるみたいな事をやっていくべきだと思います。
総評としてはこの脚本家の作品に対するリテラシーが必要なアニメだなと思いました。