らいらく さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
凡才に天才は描けない
天才的?な少年二人によるテロ活動のお話ですね。
彼らをはじめとして、作り手が終始話の主導権を握らせたい人がそれを実現できるように都合よく展開します。
謎の組織によるナンバリングされた子供による反乱。という今や苦笑いしか出ないような設定ですがそれはまだいいと思うんです。そこから紡がれるお話が魅力的なものであれば、ね。
物語冒頭、ヒロインがテロリストと行動を共にする経緯から御都合主義のオンパレードです。
これこれこうだから、こうなった。という最低限のエクスキューズすら作り手には伝える意思がありません。作品の雰囲気として敢えてそうしたというのであれば、「はぁ…だから白けた話なんですね」としか言いようがありません。
設定だけ考えて視聴者に丸投げしちゃえ!って実は考えるのやめたでしょ?と邪推せずにはいれません
最低限、実社会のリアリティというものが担保されてれば彼らの存在が唯一のファンタジーとしてもう少し楽しむこともできたんでしょうが、物語中盤から全能?のライバルキャラが登場してしまい、頭脳戦にもなってないバトル?展開で呆れるやら白けるやらでもはや物語の主軸がどこにあるのかさえ完全にわからなくなります。
なんらかの主義主張ってものはやっぱり必要ですよ
首都上空で原爆を炸裂させるんですから、一説ぶつぐらいやらせてあげないとポカーンですって
ヒロインの存在価値のなさ、どう考えてもこいつ邪魔だろ感は満点でしたね
そういう意味では、少々の生活の変化程度では成長も反省もしない、無気力に意思薄弱で他力本願な10代女子だけはうまく描けてたのかもしれませんね
とあるシーンでメインどころの刑事が同僚を連れて話の根幹に関わる昔話を聞きに行く場面があります。
そこで話半ばにも関わらず同僚が「もうたくさんだ!!」とテーブルを叩きます。
このシーンでこのアニメ見る気が99%失せてしまいました。
とても大切な真相に迫るべき聴取が取れており、彼がヘソを曲げてもうお前らには教えない。となると損しかないこの場面。目の前の人物もとても真摯的に応じてくれているこのシーンで熱血中学生かよと目を疑うこのセリフとこの演出。有象無象の刑事ドラマで熱血若手デカが口にしそうなセリフ。あーなんにも考えてないんだな。と。作り手が。こんなこと言うよね多分。程度。
彼はこの数分前にこの話を聞いてしまうと身の安全を脅かされるかもしれないよという話に、構わないと決断し、ボイスレコーダーまでセットして覚悟して話を聞き始めた人物です。もうめちゃくちゃだと思うんです。
キャラクターの深みを描いてないのではなく、考えてないんだ。描けないんだ。と。
雰囲気だけで押し通す作品なんだな、と。
テロリストが提示するナゾナゾも伏線たり得ないんならそんな演出いらないでしょ。と。
都合良く。というのは当たり前なんです。都合良く話を進めるんです。でも表面上そのお話の中でキャラクターがその選択をする、その選択をできる妥当性を描かなければいけない。どんなに荒唐無稽であっても。これが書き手の最低限のルールじゃないかと思うんです。
各種爆発物の入手法や製造法にしてもそう。どんな理屈があるんでしょ?
テロリズムというちょっとセンセーショナルな題材を使って表層だけ舐めまわしてる不真面目さを感じた作品でした
音楽は素晴らしいなと思ったら菅野よう子さんでした。ナットク