srixon さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
最高の雰囲気アニメ
いきなりですが「嘘喰い」という凄い気に入っている漫画があるんです。
ちなみにこれ、OVAはあるものの定期アニメ化はなされてないんです。
理由を考えてみたんですが、まず萌要素がない。
(あるにはある。いや、よく飼いならされた読者にしか見えないかもしれない...)
もう一つの理由は、躍動感・爽快感が感じられない場面が多々出てくるのでは、と考える。
もちろん、バイオレンスシーンもあるが基本思考ゲームであり、それを推理・予測するのがこの漫画の醍醐味であると思う。
(ちなみに推理・予測に物凄く時間がかかるし分からない場合も多々ある)
つまりは、あまりアニメに向かないのですよ。
長くなったが、ノーゲーム・ノーライフはその点きちんと考えられている。
萌え、エロ、メタ等取っつきやすいし、人情的要素も物語の補完要素として盛り込まれている。
同時に欠点はゲームに至る理由・過程およびゲーム自体は非常に薄弱かつお粗末ともいえる。
(最初のチェスなんか戦略・戦術全くなくて逆に笑った。煽動ゲーじゃん。またエルフを仲間に引き入れるためのゲームによる取引条件が無茶過ぎる等々)
でも、このアニメ面白いんですよ。
なぜなら、ギャンブラー特有の臆病さを隠さず晒している点。また、ソラとシロ二人で一プレーヤーというルールを最後まで守り切った点。
リアルでもそうですが、自分の長所・短所、有利・不利な状況をきちんと認識している人は強いです。ただ、さらに強い人は他人から見たら病的なまでの臆病さと繊細さがあり、その上で必要な場面においては何事にも動じない度胸を持っている。ある意味矛盾を内包したような人が真に強い人であり、とても魅力を感じる。
それが主人公二人にも感じられたんです。
陳腐な言い回しですが、カッコいいとはこういうことなんでは、と。
話はそれますが、原作者やアニメ監督・脚本は嘘喰いをヒントにしているような気がするなー。それをジョジョ等でうまくミスリード、いやそこまではないと思うけどマスキングしてるような。
根拠は全くねーでやがりますけど。