ヤマザキ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ジャズ愛好者の視点から
終了してからしばらく経ちますが、いいアニメでした。音楽、とりわけジャズの楽しさをここまで伝えてくれたアニメが未だかつてあったろうか、いや、ない(反語)。
1960年代という時代設定上仕方ないのかもしれませんが、基本、くさい話です(失礼)。というか、陳腐というか。三角関係だったり、実らない恋だったり、都合が悪くなるといなくなっちゃったり。まあこういうのもリアリティなのかもしれませんが、ストーリー的にはもう少しひねりが欲しいところです。さらに、ヒロインの律子ちゃんが、現代のアニメに見慣れた目からするとこれまた「美人」とは言いがたく(う~ん、アニメに毒されてるのかなぁ)今ひとつ感情移入できなかったのですが、これもまたリアリティか?
と、ここまではケチをつけましたが、でもなんといってもこのアニメにはジャズがある。そこが素晴らしい。現在ビックコミックで連載中の「BLUE GIANTS」がアニメ化されれば確実にその座を譲るとしても、現在のところここまで真正面にジャズを描いた作品はなく、例えその座を他のアニメに譲ることになっても、パイオニアとしてその名は私の記憶に残り続けると思います。
音楽的にみた場合、このアニメのハイライトは、第7話「ナウズ・ザ・タイム」でしょう。{netabare}トラブル発生から音が出なくなった文化祭でのステージ、目下絶賛ケンカ中の主人公2人が、互いを言葉で誘うことなく、ドラムとピアノだけでセッションを始める。「My favorite things」~「Someday my prince will come」~「Mornin'」と続くメドレー。そのすばらしさに見守るように立ち尽くす観衆。その興奮は体育館だけにとどまらず、体育館の外にいた人たちも体育館に詰めかけるというシーン。{/netabare}いやあ、見事だったなぁ。涙出たもの。ホント、マジに。
音楽担当の菅野よう子、ホントに見事!