ブリキ男 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
少年達の心の成長を描いた快作
幽霊物語やオカルトというよりは、脳科学や哲学、シャーマニズムについて、延いては少年達の心の成長のお話です。
随所に心理学や脳科学の歴史、解説を含む部分などは往年の名作「serial experiments lain」を思わせるものがありますが、日常生活の中ではおよそ耳にする事の無いであろう難解な学術的用語の意味、その評価等については、そのつど説明がある為、理解する事はそれほど難しくは無い様に思います。むしろアニメを通してそのような知識に触れられるというのは嬉しい限りです。知的好奇心を掻き立てられます。
主人公の少年たちはある時は友情を通して、時には大人の助言を受けながら、忌まわしい過去の記憶、しがらみから開放されようともがき続けます。物語を通しての少年達(大人たちもそれなりに)の成長は劇的ではないものの確かなもので、成長の契機となったエピソードやそれに付随して起こる少年達の心の動きも、言葉ではなく、人物の行動の変化などで、そこはかとなく細やかに描かれている点にも好感が持てます。
少しだけ残念なのは、エンディングまでの流れが途中経過と比べて急ぎ足で、うまくまとまり過ぎているという印象を受けた事でしょうか。
本編の評価とはあまり関係が有りませんが、士郎正宗氏原案という事なので、本作でもお約束としてタチコマに似た警備ロボットが登場します。出番は少なく殆どしゃべれないのですが、ちょっと可愛いかったりします。