鸐 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
大人の赤ずきんちゃん
GYAOにて配信されていたものを視聴
{netabare}押井守監督の携わった作品特集ということで人狼とBLOOD THE LAST VAMPIREが配信されていたのですが、どちらも押井守"監督"作品ではありませんねw
押井守監督の作品と言えば、私は小難しくて話についていけず眠くなる。という先入観をパトレイバー2で植えつけられたため、今作の視聴にあたってはあらかじめ睡眠を十分にとった上で、メモを用意し分からない単語があれば書きだしておいて、見返す という視聴法を試みたのですが、まあ監督も違いますしそこまでしなくても楽しめたかなと思いました。{/netabare}
物語はつまるところ
第二の警察組織の内部で2つの勢力によるいがみあいが起こり、
不祥事を起こした片側に所属する男(主人公)に、もう片側から送り込まれた女(テロリスト)をくっつけることで、スキャンダルを起こさせ男の所属する勢力をつぶすはずだった。しかし、男の側に出し抜かれてしまった。という話。
これに赤ずきんちゃんを絡めて、物語としています。
面白かったのは普通なら赤ずきんちゃんが主役であるところ、主人公を狼に見立てて、狼としての葛藤を描いていること。
また、主人公・ヒロイン共に人と狼の立場を反転させながら心情を描いているので、二人は結局どちらの立場で落ち着くのかなと想像していく面白みがありました。
結局二人はどっちに落ち着いたのかな。
ヒロインは元の立場こそ狼だけれど、大体感情で動いていたから人で間違いないかな。
主人公は、どっちもなのかな。人狼のタイトル通り、どちらにもなりきれなかったんだと思う。
ハッピーエンドとはならなかったけど、最初から大人のアニメの雰囲気を醸し出していたし、これくらい不条理な方が考える余地があって良いかもしれませんね。
ところで、冒頭のフレーズ
"その者は狼のようなものである"
"その者は狼である"
"それ故に追放された者である"
この追放された者って何でしょうね?
物語以外の部分については
①ネームバリューがとても豪華
原作・脚本:押井守
監督・絵コンテ:沖浦啓之
演出:神山健治
キャラクターデザイン:沖浦啓之、西尾鉄也
作画監督:西尾鉄也
副作画監督:井上俊之
美術監督:小倉宏昌
銃器設定:黄瀬和哉
車輌設定:平松禎史
音楽:溝口肇
押井守の名前だけ挙げるのはもったいないメンツ
②声優の演技は少し残念
③芸が細かい
新聞に落ちる手の影とか、滑り台から落ちるところとか。
滑り台のシーンはアニメーターの力量を見せたいがために入れたとしか思えないけど、凄いなと思いました。