剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
才能と向き合い続ける葛藤
[文量→中盛り・内容→考察系]
【総括】
男子高校水泳部を舞台にした青春アニメの2期。
1期からの視聴をオススメします。1期でも書きましたけど、まあ女子の方がより楽しめるとは思いますが、男子でも普通に楽しめると思いますよ。
1期のレビューでは作画について触れたので、2期では内容について触れたいと思います。
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作のテーマは、「葛藤」だと思います。
遥は、「楽しむ水泳と、勝つ為の水泳との葛藤を」
凛は、「夢の大きさと、自分の才能との葛藤を」
渚は、「学業(家族・現実)と、水泳(仲間・夢)との葛藤を」
真琴は、「非凡(良くも悪くも個性的)な周囲と、平凡(良くも悪くも安定している)自分との葛藤を」
怜は、「理論(己の美意識)と実施(理想と程遠い自)との葛藤を」
それぞれに抱えていたと思います。そんな葛藤を、「友情」「努力」「成長」といった、どこぞの少年誌のような「青春ど真中エピソード」を経験する中で、次第に乗り越えていきます。
遥は、「世界の舞台で泳ぐこと」を目指し、
凛は、「それでもやはり水泳が好きで、夢を実現させる」と覚悟し、
渚は、「両立の(両方100%がんばる)道」を選択し、
真琴は、「指導者という新たな進路」を見つけ、
怜は、「水泳選手として、また部長としての更なる成長」を誓った。
悩みもそれぞれなら、解決法もそれぞれ。仲間ではあるけれど、それぞれが自分の意思でバラバラ(自分)の道を歩んでいく様が、心地よかった。男はそのへん、サバサバしてないとね(鯖だけにw)。
モチロン、腐として観るのも魅力的な作品なんだろうけど、こうした、友情と成長の物語として、ストレートに観るのもまた、楽しめるアニメでした。
個人的には、凛と真琴が好きかな? 凛のように、「才能を諦めきれずにもがく秀才」も好きだし、真琴のように「皆をまとめつつもどこか自分に自信をもてない」人物も、私は好きです。二人に共通してるのは、最後には「ありのままの自分を認め」「けれど自分を卑下せず」「自分なりの目標に向かっていく」ことですね。
まあでも、天才と付き合うって大変だよね。
自分に高い力があればあるほど、また、努力をすればするほど、自分との差を突きつけられるのだから(個人的には勝手に、水泳の萩野選手に対して、瀬戸選手がこんな感情なんじゃないかと、邪推)。
当時、リオを見ながら、そんなことを考えていました(んでその後、瀬戸選手と萩野選手がこうも逆転するとはね。事実は小説より奇なり、とはよく言ったものですね。萩野選手も、もう一度頑張ってほしいですね)。
{/netabare}
【余談~個人競技の団体戦~】
{netabare}
剣道や卓球(ダブルス以外)もそうですが、水泳のリレーのような「個人戦の繰り返しによる団体戦」には、また独特のものがあります。
例えばサッカーやバスケなど、「プレーが流れる団体競技」は、発想が近かったり、フォーメーションだったり、プレイスタイルの噛み合わせなんかが「チームワーク」として挙げられますが、「個人競技の団体戦」は、それがない(剣道なんか正に)。水泳ならまだ、タッチと飛び込みのタイミングとか、各種目に満遍なく速い人がいるとかはあると思いますが、やはりバスケやサッカーほどじゃない。
だからこそ、「個人競技の団体戦」は、「技の繋がり」よりも「心の繋がり」が大切なんですよね。みんなが1つの目標に向かってがんばれる。自分の前の選手の良いプレーに対して、自分のことのように喜び、良い流れに乗れたり、自分の前の選手悪いプレーを目の当たりにし、奴の為にも自分が取り返してやろうと、集中力を高められるような、互いの関係性。それが大事なんですよね。岩鳶高校水泳部は、そのへんもバッチリでしたね♪
{/netabare}