剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
終わりゆく世界の果てで
[文量→中盛り・内容→雑談系]
【総括】
ゲームの中に入り込む系は、SAOを筆頭に数多く発表されていますが、ネトゲの「終わりかけ」を描いた作品は珍しいかと。
主人公最強系の中でも、かなり主人公最強系かなと思います。主人公無双です。エンタメ作品として、優秀かと思いますよ♪
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
私も以前、一度だけとあるSNSゲームをやっていた時期があります。これは、そういう方にとってはよくある話なのかもしれません。
私は無課金だったので個人としてはそこまでは強くなかったけど、わりと強いギルドを運営していたこともあり、(自分で言うのもナンですが)戦術家としてそこそこ知られる存在でした。
でも、ゲーム自体の人気が低下し、初心者がほとんど入ってこなくなり、それを感じた運営のテコ入れのせいでゲームバランスが崩れ、戦術やタイミングより、火力が優先される使用に。
そこで、無課金や微課金で頑張ってきた同志達が離れていき、それに焦った運営が、重課金者からムシリ取るようにガチャの仕様を変え、怒ったトップの人達が離れていき、、、どんどん棄てれていく様を体験しました。
ただ、人数が減ると相対的に自分の地位は向上していき、いつの間にか古参プレイヤーになってしまいました。残った上位のプレイヤーとはほぼ知り合いになり、なんだか人として辞めるに辞められない状況に。
後は責任感と惰性で配信終了まで続けていました。正直、キツかったし、離れていった(自分よりもずっと強かった)仲間達を思い出し、切なくなることも多々ありました。第○位ですとか言われても、そのゲームが一番盛り上がってた時期も知っているから、複雑な思いを抱きました。あの強かった○○さんと同じランクに、自分がいて良いわけない、なんて思ったり。でも、ここまできたら(そのゲームと)一蓮托生という思いも強くあり、複雑な胸中でした。
、、、そんな時の自分の気持ちと、主人公「モモンガ」の境遇や気持ちは恐ろしいほど一致していて、観ていて妙に切なくなりました。また、ギルマスでありながら、実際には後衛で、ギルドの運営やら調整を行っていたというのも、私と被ってます。だから、たまにエース格がリア都合でイベ前に離脱し、自分が前衛に出ざるをえない時の、申し訳なさの中で実はちょっとやりがいを感じてる部分とか、すげぇわかります。(まあ、モモンガはちゃんとトッププレイヤーなので、私とはまた違いますが)。
モモンガの入り込んだ「配信終了後の世界」は、そういったプレイヤーにとっての夢であり、救いの世界です。そこを描いたことで、同じような経験をした人達からの共感を得られたのかなあと思います。
物語後半では、他のプレイヤーの存在が示唆されましたが、きっとモモンガは嬉しかったと思います。それが敵であれ、味方であれ、「独り」よりはずっと良い。分かります。
ネットゲームやってて、仲間が辞めるのも辛かったけど、(特によく戦った)敵さんが辞めるのも同じくらい寂しかったです。一緒に、そのゲーム世界を作っていたって感覚はあったからね。だから、相手を探そうとする、妙にテンション高めなモモンガは、すごくすごく納得しました。
自分にとっては、そんな「郷愁」を感じるアニメでした。
{/netabare}