剣道部 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
これ、吹奏楽アニメではなく、吹奏楽「部」アニメなんだよね♪
(ユーフォ2を観るにあたって、評判も良かったし、より楽しみたいから1期を再視聴しましたw)
ストーリーの総括は2期のレビューに書きます。
主人公の久美子。部活は真面目にやってたけど、全国目指すほどじゃない。県大会金賞のオケに乗っているだけに、上手いんだけどプロ目指すほどじゃないり。楽器も、ユーフォニアムというマイナーな低音楽器(失礼w)をなんとなく続けてきた。すごく中途半端な設定が逆に珍しい等身大の主人公。
【各話感想】
{netabare}
1話目
ひとつの結果であっても、目線の高さにより、感じ方は人それぞれ。そこそこ上手い部員が、あまり上手くない部に入部するという中途半端さは、意外と新鮮かも。
2話目
楽器選択の場面は笑った。シリアスだけによらず、わりとギャグ要素が入ってるのは良いね♪
3話目
部活内ギスギス。失礼ながら、吹奏楽部らしくなってきたw 麗奈とあすか先輩、格好良い!
4話目
1週間でここまで上手くなるほど、吹奏楽って甘い競技なのか? という誤解を受けそうだが、まあ、アニメだから可。
5話目
女子3人全員が貧乳(いや、普通ですよw)とか、良いね(笑) 麗奈が素敵過ぎるなw
6話目
宝石ネタ笑ったw 葉月回と同時に、初心者回であり低音回。3つの魅せ場をうまく一発で魅せましたね♪
7話目
シリアス、来たね。でも、「マドンナだって芋好きなの」とか、ポイントポイントで萌えや笑いを挟んでくるから重くなりすぎない。
8話目
麗奈の株がドンドン上がってる。こういう不器用なキャラ好きだな。その裏で葉月は切ないし…。これは神回だな。吹奏楽なくても全然見られる作画に台詞回しにストーリー。流石の京アニクオリティ。
9話目
オーディション、強い部活なら普通だよね。私ら運動部も毎日がオーディション(選手選考)だしね。大学の剣道部なんて(うちはまだ良い方だったけど)60人中7人しか試合でられなかったし。ただ、剣道の場合ハッキリ勝敗が見えるから後腐れないけど、音楽とかの採点競技の場合、微妙な差なら遺恨は残るわな。ハッキリ言って主観もあるだろうし。
10話目
なんかこう、実に人間的なキャラが多いですね。やる気なきだった夏妃先輩の良い部分を魅せ、ブレずにここまで来た滝先生の人間的な弱さを魅せ、ある意味で記号化しているキャラクターがほとんどいたいのが凄い(これは原作の良さかな?)。しっかし、女子の嫌な所がでてましたね。こんな時、一切口を挟まない(挟めない)男子の無力さがリアルでした(笑)
11話目
麗奈さん、ちょっと戦場ヶ原さん入ってますよ(笑) 後輩の吉川さんは、悪役を一手に引き受けていますが、完全なる悪にはしないところが上手い。
12話目
ここにきて、久美子がいよいよ主人公らしくなってきたね。まあ、あと1話しかないから、コンクールをちゃんとやる気はないんだがw
13話目
演奏シーン、かなり良かったです。私は耳が良いわけではありませんが、凄く上手いことは伝わりました。映像も素晴らしい。ジャンルは違いますが、「ユーリ!!! on ICE」もこのように、「魅せ処を絞ってしっかりたっぷり魅せる」+「ホモよりユリ(⬅こっちは半分冗談ですがw)」にしとけば、ユーフォ並とは言わないまでも、かなりの評判を受けたのになって思いました。
{/netabare}
【視聴終了】
吹奏楽というか、吹奏楽「部」をしっかり描ききったという印象。私自身、楽器の経験はありませんが、母校が吹奏楽の名門(全国出たりテレビに出たりする)高校なので、色々な話を聞きました。同じ寮に吹部の特待生もいて仲良かったし、自分的に、文化部の中ではこっち側(体育会系)の仲間だなって思ってましたw
誤解を恐れずに言いますが、吹奏楽部って「人間関係のトラブル」と「ミーティング」が多いってイメージです(特に中学校は)。
①そもそも部員が多く、考え方は様々。
②ガチの団体競技だけに、下手な楽器が混ざるとレベルダウン。
③強い吹部の練習時間は、運動部を軽く凌駕する(夏休みとか、普通に午前午後の二部練してた。運動部だと練習のしすぎは故障のもとだが、文化部はその気になればエンドレスで練習している)。
③学校のいたるところで練習しているから、絶対的に顧問の数が足りなく、生徒だけの密室ができる(というか、パートごとに「違う部か」というくらい雰囲気やシステムが違う)。
④しかも、そこには(各学年の人がいるから)明確な縱社会が生まれる。
⑤身体能力がそこまで重要でない(技術の占める割合が大きい)から、年齢によるアドバンテージが少ない(後輩が先輩を超えることも)。
以上のことなどから、様々なトラブルが起きやすい土壌がある部活だと思います(だからこそ、仲良しな吹奏楽部は本当に凄いと思う!)。必然的にミーティングも増えるし、たくさんの葛藤が生まれます。
個人の中に生まれる葛藤と、仲間と仲間の間に生まれる葛藤をしっかりと描ききっています。
その上で、「低音楽器を押し付けられる(辞められない)」や「楽器に名前をつける」など、吹奏楽アルアルを随所に入れ、経験者にも嬉しい演出。
更には、実際の音に関しても、初心者にもわかるように、あえて下手な音を出したり、(私にはわかりませんでしたが、知り合いの元吹奏楽部のアニメ仲間に聞くと)指の使い方とかもかなり正確だし、音も、「微妙に上手い」とか「微妙に下手」とか、凄く高度に原作を表現しているらしいです。あっぱれ!
このアニメを観たとき、ストーリー的な一番の難点として挙げられるのは、「ご都合主義(そんな簡単に銅賞→金賞とれるの?)」というものがあり、そこは確かにそう思うけど、魅せたいのそこ(音楽的なこと)じゃないしね。
とにかく、文句なしの名作でした。これから、2期観ます(ワクワク)!