剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日本人がアメコミを作ったら、こんなに素敵な化学反応が♪
[文量→中盛り・内容→感想系]
【総括】
バクマン風に言うと、「王道で邪道なヒーローアニメ」ということになるでしょうか(笑)
大ヒットというだけで避けていた天の邪鬼な剣道部の心も、ハンドレットパワーでガツンと殴られましたw
子供向けというより、子供の心を忘れきっていない大人向けのアニメ、って気がします。
かといって、内容的には難しくないので、誰でも安心して観られる、非常に良い作品だと思います!
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
単純にアニメとしては、2期分の時間をじっくりかけて、メインの二人が成長していく物語。王道展開でしたが、胸熱でした。
視聴者を裏切るような意外な展開は少なくて、時代劇のような勧善懲悪のストーリー。非とによっては、退屈とも感じるし、安心して観られるとも言えるでしょう。基本的に1話完結として気軽に観られるし、でもそれが3~4話繋がって一つのストーリーになり、全話を通してもストーリーが流れているオムニバス形式を採用しているので、深みもあります。
脇を固めるヒーロー達も、それぞれに味があって良い感じでした。特に、ブルーローズ、というか、カリーナは可愛かったですね♪ 歌手の夢の為のヒーロー活動という苦悩、両親の期待、素直になれない恋愛と、年相応の女の子の悩みがあって、味が出ていました。虎鉄と結婚して、尻に敷いて欲しいな~(笑) ただ、サブキャラで言えば、もう少しドラゴンキッド(ホァン)の活躍は観たかったです。
とりあえず、オッサンが格好良いアニメは、私的に名作です♪
このアニメの特徴でもある、現実の企業のロゴが入ったスーツには賛否ありますが、私は賛成です。この作品に合った演出ですし、なにより、それで(資金集めがうまくいき)高クオリティーのアニメが作られるなら、他のアニメでも(作品を壊さない範囲で)やってほしいとすら思います。ただ、全ての企業に気を使いつつ、きっとSoftBankが一番、金を出したんだろうな~、牛角は渋ったのかな~、なんて想像もでしてしまい、少し世知辛い気持ちにもなりましたw
{/netabare}
【余談~日本とアメリカのヒーローの違い~】
{netabare}
アメコミのヒーローと日本のヒーローの違いを考えると、(偏見且つ、例外も多いだろうけど)
アメコミ→基本的に人間。人としての生活が基盤にあり、ヒーローとしての活動は慈善事業に近い。ヒーローは無敵。コスチュームは、自らの正体を隠すため。性格的には、クールで格好良い奴が多い。
日本→基本的に超人。ヒーローとして悪を滅ぼすことが生活の基盤にあり、人間としての活動は世を忍ぶ仮の姿。ヒーローとて敗北をする。ヒーロースーツは武器の一種でもある。性格的には、熱血漢が多い。
そう考えると、ワイルドタイガーは日本的なヒーローに近く、バーナビーはアメコミ的なヒーローに近いように思う。そんな二人が、互いに反発し合い、影響し合い、自分に足りない部分を獲得していく。そこが、ストーリーの縦軸になっている。
ヒーローの一人ひとりが、人間としての生活を抱え、人間的な苦悩がある感じはアメコミっぽい(カリーナの恋愛話とか、スパイダーマンっぽい)。一方、企業戦士として、スポンサー様の顔色を伺い、自分(の本質ややりたいこと)を殺してでも社会に尽くす姿は、日本人ならではの発想だろう(ある意味では忍者)。近いのは、国に尽くした「キャプテンアメリカ」かもしれないけど、彼は途中から、自分の意思や主義で、政府からも離れたしね。
これらの点から見ても、アメコミの世界観をベースにしつつ、日本的な発想が十分に生かされたヒーローストーリーと言えるでしょう。
{/netabare}