剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
論ぜず、浸れ。
[文量→中盛り・内容→雑談系]
【総括】
原作は、1967年の筒井康隆さんの小説。テレビドラマ、実写映画、アニメ映画化など、計9回も映像化された、タイムリープの名作。
本作は、原作の20年後の世界、原作主人公の姪を主役にしています。
本来は、サスペンスなどの要素もありますが、本作は「青春」というものに絞って映像化されているように思います。
本作は、見方によっては低評価にもなり得ますが、レビューでは、本作を楽しむコツみたいなものを書きたいと思います。
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作を、本格的なSFとして観てしまうと、どうしてもツッコミどころが目立つと思う。
本作のタイムリープは、あくまで青春を魅せる為の装置。
真琴は序盤にタイムリープを無駄使いしますが、それは無駄ではなく、その時の真琴にとっては重要なことで、その小ささ、普通さが、いかにも年頃の女の子なんですよね。
その対比ですよね、タイムリープを使いきった後の展開は。
青春とはそんなもので、そのときは「世界の一大事」と思っていることも、大人になって考えると、「クダラナイ、日常の些細な出来事」なんです。じゃあ、大人の感じ方が正解なの?と問われれば、それは何とも言えない。いや、大人にとっては取るに足らない出来事を、世界の一大事と感じられることが、彼ら世界を豊かに、劇的にしているのだろう。
タイムリープ喪失後、1度だけ使えるようになる展開がニクい。真琴はそこで、「本当に大事なモノ」を選択する。それは、大人になるということに等しい。自身の価値観の決定。人生の選択。
このアニメは、タイムリープの整合性を、SF的な視点で論ずるのではなく、タイムリープも出来ない私達が、アニメという疑似タイムマシンを使って、眩しくムダに溢れる青春の空気に浸るアニメではないだろうか。
{/netabare}