剣道部 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
池袋とは、全ての存在が許される街 ~作品自体が池袋~
[文量→中盛り・内容→雑談系]
【総括】
東京の池袋を舞台にした、群像劇。超人気ラノベが原作。近年のアニメで、4クール全51話(+オマケ話)も作られた作品は、かなりレアですよね。
中身に関しては、たくさんのレビューがありますので、私は、元池袋(付近w)の住人として、本作と池袋の関連性を書いていきたいと思います♪(でも、10年以上前の池袋だから、今のように第2秋葉原ではなかったけど)w
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
学生時代は池袋(から一駅の要町w)に住んでいたので、自分にとってのホームタウンだと思っています。そんな池袋への愛着から観始めたアニメでした。
私にとっての池袋は、昼と夜で全く違う顔を見せる街でした。一言で言えば、カオスです。
昼は、東口のビジネス街を歩くサラリーマンや立教通りの煉瓦道を歩く付属の生徒達(制服がベレー帽に短パンと、田舎者の私にとっては、都会の私立の子供の象徴でした)が生き生きと生活している。その脇の西口公園では、テントに住むおっちゃん達がワンカップ片手に将棋を指してる。埼京線や東武東上線を利用し、学生達が行き交い、駅地下には甘いスイーツの香りが漂う。サンシャインには若いカップルや親子連れの爽やかな笑顔。暇人たちがゲーセンにたまり、バクダン焼きを食べる。ふと脇を見ると、ラーメン屋には巨漢達の長蛇の列があり、ジュンク堂書店からは知的な香りが漂う。かと思えば乙女ロードに腐女子達が集まっている。
唯一、スウェットとサンダルで堂々と歩ける都会、それが昼の池袋でした。
一方夜は、怪しい街に変わります。駅前には埼玉からの家出少女が座り込み、それを目当てに絵にかいたような低俗な輩が集まる。フラれた彼らを待つ、東京最大級の風俗街。ガード下ではストリートミュージシャンが歌を歌い、その傍らで謎の書道作品を売っている兄ちゃんがいる。中国語の怒鳴り声がする北口では、昼間のウサを晴らせとばかりに安居酒屋で愚痴をこぼすサラリーマン。カラオケボックスで踊り狂う大学生(東口のカラ舘は下から窓越しに中が見える構造)。西口の東京芸術劇場の窓を使い、(結構本気で)ダンスの練習をする若者。数ある小さな公園の繁みの中でいちゃつく男女。ロサ会館の辺りには、たまに大塚方面からその筋の方も来ている。ホストの兄ちゃんと呼び込みの兄ちゃんが楽しそうに談笑し、警官とも顔馴染みになっている。
談笑の傍らで、ナニが行われていても不思議じゃない街、それが夜の池袋でした。
このアニメは、そんな池袋の街の有り様と、とことん重なっています。私が池袋を好きだったのは、全ての存在を受け入れてくれる寛容さ、悪く言えば他人に無関心無感動な街だからです。だって、代官山とか青山とかジャージで歩けないし、逆のベクトルで、上野とか浅草も人を選ぶでしょ?
池袋で楽しく生きるコツは、自分の欲望に忠実なことと、他人の行いに干渉しないこと。
こんな街だからこそ、デュラハンやら妖刀やらロシア人やらカラーギャングが居ても不思議じゃない。むしろ、その全ての存在が肯定される。
特に、帝人は、池袋を象徴するような人物。「正常な異常者」というか、昼と夜の顔を持つというか。全てを許容することは、全てを拒否することに等しいというか。別に普通なんだけど、どこか怖い奴。私は、彼に池袋を感じ、だからこそ、お気に入りのキャラでしたね♪
とにかく私は、池袋を愛する者として、この作品が良く出来ていて、たまらなく好きで、郷愁を感じるということです。
2期からのレビューも、全て池袋に例えます(笑)
{/netabare}