「冥王計画ゼオライマー(OVA)」

総合得点
66.7
感想・評価
90
棚に入れた
318
ランキング
2759
★★★★☆ 3.7 (90)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

80年代末ロボットOVA屈指の傑作、圧倒的な無双系!

30分弱×全4話のロボットアニメです。
このアニメよりも、ゲーム「スーパーロボット大戦MX」で猛威を振るった方が有名かも。
…強い!とにかく圧倒的に無敵!主人公の方が悪っぽい!
「クックックッ…ハァーハッハッハッ!」
「チャージなどさせるものか!」「次元連結システムのちょっとした応用だ」

全4話では話がよく分からんので物語評価下げてますが、数値以上の魅力があります。
作画や音楽面で当時粗製乱造されたOVA諸作品の中では群を抜いており、名作かと。
主人公がチート無双する作風が嫌いでないならば、一見の価値あり!

{netabare}『物語』
基本プロットは王道、世界征服を企む悪の組織の幹部たちが乗る悪のロボットを、主人公メカ・天のゼオライマーが撃破していく。
秘密結社「鉄甲龍」(ハウドラゴン)とか八卦衆とか、ジャイアントロボっぽいノリです。

主人公・秋津マサトが無理矢理ゼオライマーのパイロットとして戦わされる…
これも王道なんですが、別に正義の為とか大切な人の為とかではない理不尽さが特徴。
敵側の鉄甲龍側も色々とドラマあり、マサトの出生の秘密や葛藤も含めて「アイディンティティーの葛藤」がテーマな感じ。
マサトは理不尽に流され、戦闘中の大半が木原マサキの人格に乗っ取られるので主体的に存在感出にくい。
ヒロイン・美久ちゃんとのラブコメも殆ど期待できないのが残念。

どちらかというと鉄甲龍側の方が共感できました。
女ボスの幽羅帝かわいいですねぇ。耐爬(たいは)との愛のドラマ…
姉にコンプレックス抱く妹と、妹を想う姉との百合も良かった。
男らしさと女らしい容姿へのコンプレックス抱く葎(りつ)も含めて「コンプレックス」の側面からのアイディンティティーの葛藤が全編に渡り描かれていた。

{netabare} 実は両陣営ともに全ての元凶は木原マサキが仕組んだもの、本作は彼の掌で踊らされた悲劇なのか…{/netabare}

バトル面では、マサトが葛藤したりヒロイン・美久不在でゼオライマー本調子でなくて苦戦→でも結局本領発揮したゼオライマーの反則的なチートの前に粉砕される!
なんだか鉄甲龍側の方が主人公っぽいです。
ゼオライマーあまりに強過ぎて、決着は意外とアッサリしており、盛り上がってるのかは微妙なところ。
勧善懲悪的なカタルシスが無いのと、葛藤がありつつも双方救われない感じ。
全4話と尺が無いので仕方がないのか…

※2016年冬アニメ「Dimension W」(ディメンジョンダブリュー)のコイルと本作の次元連結システム似てるかも。
コイルの大先輩かな?


『作画』
現代基準だと古いですが、この時代のOVAの中ではトップレベルの一つなのでは。
古さはありますが美久ちゃん美少女ですし、ゼオライマーや八卦ロボかっこいい。
バトルはスピード感よりも、重厚で凄まじいパワーを感じるまさにスーパーロボットな感じ。

『声優』
関俊彦さんの少年声と狂気の木原マサキの落差が凄まじい!圧巻です。
本多知恵子さんのミステリアス美少女良かったです。
故・鈴置洋孝さん、故塩沢兼人さん等八卦衆もイケボ揃い。
速水奨さんは黒騎士バーンよろしく仮面の騎士、関俊彦さんとは「赤い光弾ジリオン」でもjj対バロンリックス、ライバルでした。

『音楽』
主題歌「紅のロンリネス」もまぁまぁなのですが、BGМ「覚醒!ゼオライマー」の方がインパクト大かつ、多分有名です。
ゲーム「スーパーロボット大戦MX」にてゼオライマーの戦闘シーンの度にこの曲流れていて、ゼオライマーのチートな強さと相まって印象深い。
作曲者は仮面ライダーブラックの人、雰囲気が仮面ライダーブラックっぽい。
いわゆる「処刑用BGМ」この曲が流れ始めたら…気の毒に敵さんオシマイです…
ただし、あまりにアッサリ決着が付くので、盛り上がる前に曲が終わってる残念。

『キャラ』
主人公の秋津マサトは悪くない主人公でしたが、終始状況に翻弄されがちなのはやむを得ないところか。
ヒロイン・美久は同時代でもかなりの美少女、ミステリアスで可愛いです。
達観し過ぎていて積極的な可愛げはやや足りない。
原作アニメ版なら健気でかなり可愛いヒロインなんですが尺が足りない。

敵の方が魅力あり。
敵ボスだけど愛深きツンデレ幽羅帝かわいい。
忠臣な耐爬(たいは)、悲しきすれ違いなシ・アエン、シ・タウ百合姉妹、気高き女戦士ロクフェル等々。
葎(りつ)は仮面、声が速水さん…聖戦士ダンバインの黒騎士バーンっぽいです。

本作のエースはマサトのお株を奪いまくる真主人公にして真ラスボスな木原マサキ。
「クックックッ…ハァーッハッハッ!」「チャージなどさせるものか!」
あんた本当に主人公か!?性格も実力も言動もどう見ても魔王っぽい。まさに冥王!
…余談ですが「木原君」ときて真っ先に連想するのが一方通行(アクセラレータ)かゼオライマーか、その人の趣向が分かります(大半は禁書ファンでしょうがたまにロボットファンも)w{/netabare}

投稿 : 2016/03/14
閲覧 : 284
サンキュー:

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