※アニをた獣医師 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
不思議な作画に魅了される… 儚く切ない旅のお話。
1話1話が完結していてとても良い。
1話50分というのは少し長く感じられるかもしれないが、一度見て引き込まれると止まらなくなってしまうでしょう。
田村ゆかりさんの感情伝わる演技はとても揺さぶられました。
{netabare}
12話のとがめのシーンは涙なしには見られないと感じます。
とがめは、七花を殺さないで、それで幸せだといったのは、虚刀流を憎んではいたけれど、憎しみを塗り替えてしまうぐらい七花のことを好きになってしまったんだろうと、伝わるものでした。
憎んでいたままで終われたなら、悔いなどなく死ねただろう。だけど、それでも一人の男を好きになれて、七花に惚れてしまってよかったと。彼女は思っていたのだろう。
最初、とがめは、自分は惚れるつもりなどなかったのでしょう。しかし二人で旅をするうちに、困難を乗り越えていくうちに、自分の刀ではなく、一人の男として彼を愛してしまったのだろう。
もっと二人が幸せになる方法があったのなら…
なぜそうならなかったと哀しく思います。
(それでも無かったんだろうな…と思ってしまいます。
どうしても逃れられない運命だったのでしょう(涙))
二人の幸せなところを最後まで見届けたかった、しかし、悲しい部分もあるからこの物語はよりいっそう素晴らしく感じるのでしょう。
{/netabare}
何度も見てしまう。ふとした時に見てしまう。
感動するところもあり、笑えるところもあり、魅き込まれてしまう!
二人のいちゃいちゃシーンは2828止まらず目の保養になることでしょう♪
二人の旅をしながらの絆を深めていくところ、そして七花だけでなく、とがめも成長し、七花に対する {netabare}
愛が芽生えていく感じ{/netabare}が
とても良い!
{netabare}
最終話、とがめが七花に今までの自分の本当の気持ち、抱えていたこと、それを全て話し、それが最後の会話だと、最後の語りだというシーン。とがめは蛇のように、自分の運命に絡み付かれていた。それを七花が解き放ってくれた。七花もいろんなものをもらい、与えていた。二人の信頼、愛情、それを心から感じられる切ない場面… 互いに共存していた関係。そんな複雑な普通の恋愛感情ではなかったかもしれない。だけれど、最後まで愛し合うことができた。
{/netabare}
{netabare} 七花「とがめ、愛してるよ」嘘偽りない言葉。駒であって駒でない、それは心、愛という感情 {/netabare}
完成度の高い作品だと思いました。作画は少し癖があり、初めて見る人は、なんだろう?この作画の感じは?とやめてしまう人もいるかもしれません。
そうだとしたら勿体ない!独特の、筆で描かれたような作画(個人的な感想)は、慣れてしまえば逆に好きになってしまうと思います!
それでも、合わないな、と思えば無理に見ることはないですが(笑)
物語の起承転結もしっかりしていると感じました。
もう一度。
注目してみたこと。それはやはりとがめの目。
何をもってして目が普通からバッテンになるのか。
片方だけ変わるのもなんなのか。
{netabare}
最終話から見てなんとなく理解したこと。
それはとがめが死ぬ時、目がバッテンから普通の目に変わるところ。父の復讐のこととなるとき、全てのものを駒として、使うものとして、そのときに目がバッテンになっている?
とがめの散るとき、左目のバッテン、いや十字か、これがなくなり、普通の目に変わる。そのとき、とがめは父の復讐をあきらめたのではないか?
その瞬間は七花を駒ではなく、心から愛した人。そう見えた。だからとがめの目が普通の目に戻ったのではないか?
その後のとがめの最後の言葉。
「それでも…私は…そなたに惚れてもよいか?」
この言葉は特にとがめの本心だと思えます。
最後の最後にしか惚れていいかどうかを確認することができなかった。それまで愛していたことも本当かどうか自分ではわからなかった。愛していいかもわからなかった。そう思うと悲しい言葉です…
この言葉に対する七花の返事を待たず、とがめの手は落ちる。そして自分は七花がいった言葉。それは。
「あたりまえだ。」自分はそう思った。
これは「とがめ、愛してる」だった。これが全てを理解した七花の答え。
{/netabare}