STONE さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
普段着のままで
アニメに限らず、テレビシリーズが人気を得て、映画が作成
される場合、せっかくの映画だからということで、テレビ
シリーズ以上に大きなイベントがあったりする。そういった
コンセプト自体は一概に否定できないが、キャラの対応も
テレビシリーズとは違ったよそ行きのものになり、結果として
テレビシリーズとは違った空気感の作品になったりする。
結論から言うと、この作品はいつも通りの「けいおん!」、
「けいおん!!」(以後、「けいおん!!」で統一)だった。
ロンドン旅行という大きなイベントがあったが、ロンドンに
おいてもゆるい小ネタ中心といった感じで、普段着の放課後
ティータイムといった印象。
ストーリーは唯達が梓に曲を贈ることを中心に進んでいく
が、この過程が唯達3年生の梓への思いが感じ取られて、
なかなかいい感じであった。
ロンドンでの突然のライヴ、最後の登校日の教室ライヴ、
梓を前に唯達が贈る曲を演奏する前後など、盛り上げようと
思えば、怒濤の感動みたいな演出もできたはずだが、いずれも
さりげなく、ジワーッと来る心地良さで締めてくれる。
つくづくテレビシリーズの空気感を大切にしている作品だなと
思った。まさにテレビシリーズのファンを大事にした作品と
いった印象。
それでいてテレビシリーズ未見の人が鑑賞したとしても、
置いてきぼりにならないような作品に仕上がっている。
作画・音響などは、細かい部分に手が掛かっており、テレビ
シリーズの空気感を壊さずに、映画としての質の高さを感じ
させる。