アイン さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
悪役の描き方が下手
最後までそこそこ楽しく見られましたが、シナリオや演出の欠点の一つとして悪役の描き方が記号的すぎると感じました。
超能力者を科学者から守るといいますが、科学者ってなんか言葉として漠然としすぎてるし科学者は悪者って発想がちょっと幼稚な感じです。後半出てくる海外のなんか悪そうな組織とかも、たぶんこれは脚本というより監督の演出的なことが大きいと思いますがヒロインが誘拐されるとことか見てて恥ずかしかったです。とにかく悪役が"なんか"こいつ悪いやつですって感じで全くリアリティーがないです。
そもそも、麻枝准さんが今までKeyで書かれたものって私はすべてプレイしてはいないですが、Air、CLANNAD、リトルバスターズで悪役ってほとんど出てないですよね。ここまで大きく悪役が出てくるのってシャーロットが初なんじゃないですか。そして、麻枝さんはこの作品で悪役の実在感とか作り込みがされてないように思いました。というより、麻枝さんはキャラクターの実在感とかにたぶん興味ない気がします。むしろ逆に実在感ではなく非実在感を求めてるんじゃないでしょうか。少しでも何かが欠けると崩れてしまうような、そういうバランスのキャラとか世界観を作りたがっているように思います。だからこそ、その世界観そのものが何か切なさや儚さを生み出しているわけで。麻枝准さんの作家性はそういう意味でかなり特殊なのではないでしょうか。
ですが、悪役の描写はもっと説得力あるものにしないとやっぱり話全体が軽くなっちゃいます。例えば、「科学者」とかって言葉を使うんじゃなくて何か固有名詞の組織名を考えて、そのある組織が超能力者を利用して悪いことをしようとしてる、とかにするだけでも説得力は増すんじゃないかと思います。