蟹チャーハン さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
倫理観を試されるアニメ
{netabare} ~ 妹大好きな兄と、兄大好きな妹のラブコメ作品のはずです。
ヒロインが短気で怒りっぽくて、兄に対しては異様なほど暴力的で殴る蹴るが当たり前みたいな描写の連続で、彼女は病んでいるのかと思いました。
ツンデレ表現のうちなのかもしれませんが、これはちょっとやり過ぎかな。怒る程度ならわかるけど、意味なく暴力ふるうのは見ていて気分のいいものではないし、不安になります。
お父さんが昭和のゲンコツ親父風でしたし、その影響もあるのかもですね。と無理矢理納得させながら、妹からの無理難題に付き合わされて振り回される兄の奮闘ぶりに興味があって視聴していました。
ただ、何年も口も聞かない疎遠な関係だったのに、出来事ひとつでここまで言いなりになるっていうのも不思議で、はじめのいくつかのお願いくらいは聞けても後半は無理があったような~。
で、最初は妹の異常行動が気になっていたんですが、見ているうちに今度は兄がおかしいんだなって思い始めるようになりました。平穏無事な生活ができればいいと言いながら、妹の愛情を求めるとか、自分が大切にする幼馴染に妹が敵意をみせて罵倒するのを許すとか、やっぱこの兄貴が変なんだなと。
できれば幼馴染の田村さんと結ばれてほしいけど、どうなんでしょうね。。。
たしかに兄と妹が愛し合うような作品は世にごまんとあると思います。禁断の愛ですね。それを逆手にとったのが「さすがお兄様です」のセリフで有名な劣等生で、あれくらいしょっぱなから露骨でメーター振り切ってくれると完全にギャグ作品として笑ってみられるんですが、これは妙にねちっこいというか生々しいというか、そのあたりもこの兄の優柔不断な性格だからなんでしょう。
物語は次第にハーレム作品ぽくなりますが、正直、この兄に恋したキャラがちょっと可哀想になってきます。アメリカへ留学をした妹を引き戻しにアメリカまで行き、シスコンを告白、さらに「黒猫ら他キャラはお前のおまけみたいなものだ」風な発言を聞いて、ヒロイン以外の女性キャラが全部そんな扱いなのだと理解すると同時に絶望しました。黒猫も田村さんも、アヤセもカナカナも、みんなおまけなんですからね。この扱いはひどい。
ラノベの範疇を超えたテーマで、自分にはちょっと高尚すぎる作品でした。
{/netabare}