りくりく さんの感想・評価
3.3
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
人工知能というより、人種差別?
人形アンドロイドが普及し始めた未来日本、アンドロイドの証であるリングを付けずに、人とアンドロイドを差別しない特異なカフェで紡がれる人間模様。
人の心とはどういったものであるのか、それは人が作り出したものに宿るのか、もしそうであるならば人間とはなんなのか、といったことのヒントをもらえるのではないかと期待し、視聴した作品なのだが、予想が外れてしまった。
今作品ではアンドロイドは{netabare}人間の労働の代わりを務めるものとして扱われており、あくまで道具、そして彼等は人間らしく振る舞うことは許されていない。
まず最初に驚いた点は、アンドロイドは普段の人前でこそ機械のようだが、彼等は本当は人間のように振る舞い、感情から心のようなものを持っているという点だった。{/netabare}
そんな設定で始まってしまったものだから後はなんてことは無い、差別される者達と、差別を植え付けられた者達のドラマにしかなっていなかった。
彼らは{netabare}音楽を楽しむこともできるし、好きなこと、言われたくないこと、そして思いやることすらできる。{/netabare}
もはやアンドロイドである必要は無いのではないか?まあ、これから先現れるであろう人形ロボットを頼る社会を意識したアニメーション作品ということなのだろうか。
あそこまで心と呼べるであろう代物を持っているのなら、差別する者ですら罪悪感を抱き、そこまで社会問題にはならないと思うが。
SFものとしては問いかけてくる者は少ないが、ヒューマンドラマとしてはとても良くまとまっていて、感動できる。期待するものを間違えないように気をつけたい。