にゃっき♪ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
How Can You Mend A Broken Heart?
泣かせようという演出がちょっと気になりましたが、名作と呼んでいい作品だと思います。
心の奥底に抱え込み、時の経過にも洗い流せず、かえって流れを堰き止めているような心の傷跡。
忘れればよいのか、決着をつけるべきかも決められないまま、自分ひとりでずっと思い悩み、提出を先延ばしにしている課題。
そんな問題に真剣に向きあおうとする人の背中を押してくれる作品だと感じました。
どんな作品でも気になることはあります。
この作品なら「あなる」というニックネームや、ゆきあつの女装は多くの方が気になったと思いますが、私が気になったのは、例えばめんまが物理干渉出来る事をメンバー全員に見せてやるのをずっと後まで引っ張った事です。さっさと見せれば済むのに何をしてるんだと視聴中はイライラしてました。
作品中では「じんたんは抜けてるとこがある」みたいに軽く流していましたが、これは制作側が物語を動かすのに必要だったからですよね。
他のメンバーがめんまの霊を信じない事で喧嘩をさせて、互いの心の奥にあの夏の出来事が突き刺さったままだという事を、台詞にして吐き出させるのを視聴者に見せたかったのでしょう。
泣かせどころをいくつも作れそうなので、じんたんには抜けてる人になってもらったわけです。
登場人物を都合良く動かして泣かせる状況をつくるにしても、非常識な言動は出来るだけ避けて欲しいと思います。
視聴者の許容範囲が違うのはあたり前の事で、万人に受けいられる作品なんてなかなかあるものではありません。でも本来は許容範囲でない要素があっても、それが気にならないほど輝く宝石のような作品も存在するんですね。
引き籠もっている方や落ち込んでいる方が、勇気ある一歩を踏み出すきっかけになるかどうかはわかりませんが、流した涙の回数より、これから頑張ろうとする方への応援作品として高く評価したいです。
1年後が描かれる近々公開される劇場版も楽しみです。