ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
「想い」を伝えることの難しさ、大切さ。だから願う「想いよ、君に届け、」と
本名の爽子を幼馴染に間違えて「貞子」と呼ばれて以来、黒い長髪と白い肌という容姿からみんなに「貞子」とよばれ、実際はありもしない霊感や目を合わせると不幸になると思われ、孤独な学生生活を送っている、ホントはごく普通の高校生・黒沼爽子。
誰とでも分け隔てなく接し、人気者の同級生・風早翔太が話しかけたことをきっかけに、それまで孤独だった爽子の生活が徐々に変わっていく、、、
あにこれ総合ランキング56位、成分別「恋愛」ランキング5位とまずまず高評価の作品。
以前に見た「好きっていいなよ」と似たような雰囲気(少女漫画原作?)なので興味を惹かれ視聴開始。
「貞子」という呼び名と、様々な「噂」でみんなから敬遠されながらも、みんなが嫌がることを率先して引き受け、孤独に順応してきた爽子。翔太に話しかけられたことや、肝試しでの幽霊役を買って出たことでクラスメイトのあやねや千鶴と打ち解け、気持ちを伝えることで戸惑いや誤解を解くことで成長していく筋立て。
率直な感想は、とても良かった。画も美しく、登場人物の心理描写や心の動きなども繊細で丁寧に描かれ、等身大の高校生の友情や恋愛を描いていると思います。
個人的には「恋愛」というより、爽子の成長ストーリーとして、すごく良かった作品でした。
恋愛という部分では個人的に恋愛経験が乏しいせいか、思いが通じず翔太とすれ違ったり、ウメちゃんの存在などイライラさせられっぱなしでしたので「恋愛中心」の2期より成長する姿が描かれる1期の方がすごく好きです。
特にあやねと千鶴、この二人がホントに好きですね。正直でまっすぐな千鶴と、厳しくも優しく暖かな目線で爽子を見守るあやね。この二人の存在が徐々に爽子を成長させているのが良かった。(あやねちゃんが「悪党面」も好きです^^)
この作品で好きなシーンが三つあります
トイレで爽子が誤解を解こうとした場面
「好きじゃない」という言葉を聞き、ショックを受ける二人と、「私といることで二人が傷つく」という爽子の二人への想い。
その誤解が解け、爽子を信じる二人の姿。3人の心が本当に通じ合ったシーン。
クラスメイトとのクリスマスパーティーに誘われるも家族でのパーティーを楽しみにしている父を想い、落ち込む爽子。
パーティーの最中にかかってくるあやねからの電話。
あやねと、風早の声を聴き、父を思いながらも「ちょっとだけ行ってきてもいいかな。。。」と涙ながらに訴える爽子に、父からの「携帯電話」のプレゼント。おやぢ、ぐっじょぶだよ。。。。(´;ω;`)
子を想う親の気持ち、親を想う子の気持ち。全編の中でここが一番感動しました。
2期のラスト。風早と付き合うようになり、楽しそうに話す二人を、遠くから見守る千鶴とあやね。
友情よりももっと深い絆でつながっている3人。爽子の嬉しそうな姿を温かく見守る二人の姿に泣けてきました。
一人でいることに慣れ、一つの出来事から、自分を取り巻く世界が変わりはじめ、その変化に時に喜び、時に悩み、悲しい出来事もある。そんな急変する世界で支えになったのは風早の笑顔と千鶴、あやねの存在。誰も関わらない存在から、二人の親友ができ、分け隔てなく話しかけてくれる二人の男友達ができ、「貞子ノート」でクラスの平均点をあげ、ちょっとした「幸運のマスコット」的存在になり、学園祭の占いでは相談した全員に彼氏彼女ができる「伝説」を作り、ついには学園祭の仮装行列の一人パートを任せられる存在にまでなった爽子。「想い」がみんなに届いたとき、もう「一人」ではなくなった爽子。その成長していく姿をとても良く描けていた作品だったと思います。
爽子役の能登さんの演技がとても良かった(最初はCLANNADのことみの声にしか聞こえなかったw)し、やはりあやね役の沢城さんの演技が良かった。これに尽きます。
三瓶さんの千鶴も良かったけど、浪川さんの風早役はどうしても彩雲国の「影月」の声にしか聞こえなかったw
なんにしても、美しい画で描かれる爽やかな青春物語。笑いあり、涙ありで1期2期通じ楽しませていただきました。
ちょっとここんとこ見た作品がハズレ続きだったので、なおの事良かったように思えます。