Enchante さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「最高でも魔法少女、最低でも破滅的魔女」は、二度美味しい
タイトルそのものがネタバレになり申し訳ありません。
けれども、この意味が分かる時、キャラクターデザインのアレルギーが払拭されました。少なくとも私はそうでした。
大変失礼ながら、全12話の中で序盤どころか中盤になっても、あの顔立ちが邪魔をして、苦痛な鑑賞だったことを白状しなければなりません。
それまでもシナリオの構成、世界観、情景、音楽のどれもがハイクオリティなのに、少々高度に難解な点もあってか、観る側のハードルを低くして欲しいと思い、心の中で何度も悪態をつきました。
「もう少し一般受けの作画にすれば、最初から名作なのに!」と。
ところが第8話のラストになって、魔女の全貌が明らかになり、同時に魔法少女の希望が革命的に変わり、「最高の魔法少女は最低な破滅的魔女になる」という二律背反に立ち向かいます。
「希望をもつことで、かえって救いがなくなる」という無間地獄が展開し、気づけば作画アレルギーから解放された自分がいました。
アレルギーがあるほど、そこから解放されれば、カタルシスもずっと大きく、その後は一気に気持ちよく最終回まで鑑賞できました。切ないラストに対しては上手く言葉にできませんけど。
また、同時に最初からもう一度見直したい、という気持ちにもなってしまいます。交錯した人間関係の絶妙さをきちんと再確認できるので、無駄ということはありません。むしろ「二度美味しい」と感じます。
今思えば、あのキャラクターデザインがあっての本作だと評価できます。