Enchante さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
迫真のパロディと現代への視座が呈示された秀作
実家で暮らしていた頃は『クレヨンしんちゃん』の視聴が禁止されていたので、成人して一人暮らしになって、評価が高かった本作で初めて観たという経緯があります。
TV版も後日少し観ましたが、劇場版の方が私の性に合うようです。もっとも、他には『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』しか観ていません。
映画『ドラえもん』シリーズは第一弾から遡って観るようにしているため、観客動員数や批評家の評価の高さが、自分の評価と往々にして一致しないことは重々承知しています。したがって、多分に偏りがあることは認めなくてはならなりません。現時点では、理解が浅すぎるため名作ではなく「秀作」としました。
{netabare}随所にパロディ的演出が見られますが、どの作品からかは、はっきり言って分かりません(笑)。
マサオくんの目の色が変わるカーチェイスは迫力満点も、一体どこからのパロディなのでしょう?
ビルの屋上を駆ける姿はTVドラマ『太陽にほえろ』から?観たことはありませんが、そういう場面がどこかのTV番組特集か何かであったように思います。
しんちゃんのパパが唐突にカンフーをやりだすのは、ブルース・リー主演の『燃えよドラゴン』か、それとも香港カンフー映画の全般からかと判然としませんが、相当滑稽でも熱を帯びる名シーンです。
しんちゃんがタワーを時折つまずきながらも、強烈な勢い駆け上るシーンが一番印象深いけれど、これがパロディかどうかも分かりません。検索して調べれば簡単に分かるのでしょうけど、アニメより古典映画を観る方が多いので、いつか偶然に巡り会えたら嬉しいかな、と思っています。
本作を単なるパロディ総特集だけにしないで、最終的に古き良き時代ではなく現代という「今」を子どものしんちゃんから選ぶところに、深い味わいと新しい視座が呈示されています。これが高い評価になったのも頷けます。 {/netabare}