Enchante さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
彼は若く、姫も若かったが、見上げた青い空は、ほろ苦かった
しんちゃんをはじめ野原一家がタイムスリップして戦国時代に行くというストーリー。
{netabare}
プロットだけなら戦国時代の政略結婚の悲劇を描いたベタな設定のような気がしますが(主役はしんちゃんというより、戦国侍の又兵衛さん、ヒロインは廉姫)、しんちゃんの存在がコミカルなペーソスとなって、秀逸な悲喜劇となっています。
また、いきなり家族全体がタイムスリップのではなく、しんちゃんが先に現代から失踪扱いになることにより、これから先の物語のテンションを上げていく展開のため、ラストまで退屈することはありません。
合戦も思いの他、リアルで迫力があります。
そして悲劇に終わると分かっていても、まさか『しんちゃん』で人の死が描かれるとは、良くも悪くも裏切りでした。
両想いだったということを、しんちゃんが伝えられいまま、戦国時代を去り現代に無事に戻れますが、余韻が続きます。
しんちゃんが見上げた青空には又兵衛さんの旗が映り、時代が違っても廉姫もまた同じく青空を見て涙を流すラストは、ほろ苦かったです。{/netabare}
子ども目線から外れていますが、おませな、しんちゃんならではの役割を存分に発揮できたので、私は良作とします。