Enchante さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
あくまで「礼」=追加サービスの話として観るべき
スピンオフ作品としてはまあまあの出来で、良いエピソードが盛り込まれています。
もっとも、本編にあたる『ひぐらしのなく頃に』と『ひぐらしのなく頃に解』を観た、という前提でない限り、お薦めできません。
全5話のうち「賽殺し編」(2~4話)が中核。特に古手梨花がかつての親友だった北条沙都子を椅子でボコボコにするシーンは、これまでのギャップとのキレがあって秀逸でした。
両親をむざむざと殺されるのを黙ってみる他なかった彼女に、優しい母の愛情を感じさせるというエピソードは、癒しになるとは思います。けれども、『ひぐらし』の全体のトーンを貫く梨花の虚無的なキャラにそぐわず、本来の醍醐味とは違います。
実際問題、各キャラクターが心に闇を抱える状態がとても健全でないことは明らかですが、だからといって「普通の健全さがあったら?」という世界になっても、というのはナンセンスな「if」だとも感じました。
ミステリーもサスペンスもないので、あくまで本編のサイドメニューとして観るべき。製作者側も「礼」としているのは、追加サービスの話としているからでしょう。