Enchante さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
『解』は「解決編」にあらず
本格ミステリーを求める人には、あまりお薦めできません。
そういう観点からだと、前作より向上したのは作画だけで、『解』は前回の問題の回収をあまりにもしていないため、【「解」は「解決編」にあらず】と言っても良いと思います。
真犯人?が意外な人物となっていますが、衝撃的というほどでもなく、ファンタジー要素が入りすぎて、プロットのクオリティ低下が否めません。
のほほんとした日常から狂気のホラーミステリーになる落差が『ひぐらし』の真骨頂だったため(前作より声優やキャラの評価も低くなっているのは、キャラのテンションの切り替えに面白味がなくなっているため)、勧善懲悪のカタルシスを与えるのは、かえって消化不良でした。
友情をテーマにしたのは構いません。けれど、児童相談所に集団で押しかける話は現実的でない上に、他の方法も考えられるのに(実際「祭囃し編」では簡単にスキップされています)、これまでのテンポの良さがなくなり、間延びした感が残りました。
終盤の全面対決に至っては、子供が大人を相手にするという幼稚なドタバタ劇になってしまった感があります。
本来なら前作と本作『解』の両方をもって評価すべきですが、個人的には前作でいったん区切りがあったのは良かったと思うため、『解』はあまりお薦めできません。
以上、手厳しく批判してしまいましたが、随所に良いエピソードがありますし、各人物像の掘り下げが前作とは比較にならないほど良く描かれています。
前作のようなグロテスク描写が苦手な方には、感動のフィナーレとして受け入れられると思います。