空知 さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ルールが不明確で熱い思いが視聴者に伝わってこない
原作未読。(訂正--乙女ゲームだったのですね。)
ゲーム未プレイ。
9話まで視聴しました。今後も視聴は続けますが、第9話を観て「ああ、これはダメだな」と判断し、レビューしてしまいます。今期のスポ根枠として期待して観ていたのですが、次回も次回も観たいというほどの作品ではありませんでした。
(文化系競技も含め)ルールが分からないスポ根には熱中できません。麻雀のルールを知らないとアカギを本当の意味で楽しめないのと同じです。
最初にルールをきちんと説明していないために、失敗するスポ根の典型例と言っても過言ではありません。
{netabare}この作品は「ストライド」(本当のストライドとは違います)という架空のスポーツです。力一杯走って、次の走者にタッチすることによって一定距離をいかに早く走るのかというリレーのようなものです。ただし、飛んだり跳ねたり、障害物競走の要素も加わわります。
「次走者に思いを伝える」という意味でのタッチ音はなかなか熱いですし、緊迫した競技であることは伝わってきます。
ただ、ルールがはっきり分からないのです。第3話でサイセイ学園と戦うのですが、ホウナンは 0.4秒差で負けます。つまり、走る距離は双方とも同じはず。ところが、第4話でカドワキという選手が「ショートカット」を行ない負傷してしまいます。
これおかしくないでしょうか?0.1秒を争うスポーツでショートカットが認められるならば、直線以外の部分をショートカットすれば距離が短くなってしまいます。8話では、競技相手が敢えて遠回りルートを選択するなど、全くルールが掴めません。
それと、リレーショナーの無線の合図で次走者がスタートするのですが、0.1秒を争う競技では、あの大まかなGPS画面で正確なスタートを指示するのは無理だと思います。
手と手を「パーン」とタッチするアクロバット的なリレーなんでしょうが、一番の見所であるタッチの瞬間が、GPS画面だけで、映るのは手と手のタッチのみ。GPS画面だけだと、「この競技、下手するとリレーショナーの指示に誤りがあると、正面衝突して顔面骨折するくらいの危険な競技なのか?」と思ってしまい、競技にのめり込む前に、ヒヤヒヤ感のほうが強いです。{/netabare}
「海の中でどうして息ができるのか?」「どうして過去へ行けるのか?」というツッコミをしていてはアニメが楽しめません。その世界観を矛盾なく最後まで描ききればよいのです。
しかしこの作品は、ルールに関してツッコミを入れざるを得ず、走者だけが走っていってしまい視聴者が彼らの姿を見失ってしまうような感覚に陥ってしまいました。
せっかくの2016冬枠内での青春スポ根なのに残念な作品になるのではないかと思います。
小さなことにこだわるようですが、四字熟語の説明は不要。「油断大敵」の説明を字幕で行なうなど、スポ根でなぜそのような演出が必要なのか疑問です。
OPはロック調でカッコ良いです。