ダレイオス さんの感想・評価

3.4
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

視聴者が「友達」の定義を考えらせられるアニメ

４年前見たことはあるのですが内容はタイトル詐欺な内容だった以外
すっかり忘れていて、今となってはどういうアニメだったんだろうと
なんとなくだけど気になって今更見てみたくなりました。

当時の観た感想なのですが２０行くらい書いてパソコンの中にあるのですが
そこに書いてあるのは

「１話と１２話はストーリーは良かった。萌えアニメとしてはオタク要素が多く
良い出来だったけど「僕は友達が少ない」のタイトルからは
想像もつかない遊んでいるばかりの主人公達はおかしくもう少しストーリー性が欲しかった。
１話の時点で悩みは解決している。ギャルゲや１８禁ゲーム？しているし
どう見ても、ただの主人公達がオタクの萌えアニメとしか言えない。
１話の会話は友達がいないもの同士としてはわりと自然で良いと思ったけど
２話以降は友達がいなかった同士だったとは思えないほど
会話がスムーズにいきすぎる。」

と当時の自分は１話と１２話以外は、ただの萌えアニメの判定だったけど
どうなるのだろうか見てみようと思います。

主人公の小鷹は高校２年生で転校してきて、遅刻をしたりで色々失敗したり
顔付きが悪いや自分がハーフだから髪の毛が金髪でみんなから不良と
思われたりで、クラスに馴染めないでいたが
ある日、偶然ヒロインの夜空が独り言でエア友達ごっこをしている所を
目撃してしまいそこからヒロインと接点を持つストーリー
設定としては転校、髪の毛、学校生活のやらかし、そして怖い容姿と
馴染めない理由としては合理性があり納得しました。
夜空にしても、エア友達していたことには気持はわかるし
この時の小鷹と夜空の会話も友達がいない者同士としては自然な会話だったので
開始直後は面白そうでした。

そして隣人部という謎の部活を作ることも高校２年生で６月だと入部しずらいなども
合理性があり説得力はあったので納得はしましたが
でも、そんなことを言って逃げてたら真の人間ドラマは見れない気はするので
今見ると辛い現実からは逃げているとも思ってしまいます。
よく考えると隣人部も友達を作る以外は具体的に目的はない気がするのだけど
と気になる部分もあるかな
それでも１話の開始直後の話の流れから友達を作り熱い友情物語があるのではないかと
期待してしまいました。
星奈というヒロインも上手い理由付けで隣人部に入部させているので
なんだかんだ言っても初期の設定は良かったと思います。

しかしながら、２話になると
隣人部って謎の部活だからなのかしれないけど
小鷹、夜空、星奈が仲良くＴＶゲームをしているんですよね。
テーマ性があるアニメに見えたけど、いきなり萌えアニメに
なっちゃったかな普通の高校生でもここまで充実したライフを送っている
人達はいないでしょう。
元々友達がいなかった設定はどうでもよくなっており
１話の時点で悩みは解決している気がするのだけどとストーリーは捨てている気はします。
萌えアニメとしてなら、馬鹿騒ぎしているので楽しめなくはないのだけど
１話からアニメのジャンルが変わっている気はしました。

やっぱりキャラクターアニメかな
夜空と星奈はかなりキツイ性格の女の子なのでインパクトがあり
存在感はありましたね。
言葉遣いも汚いので、お互い本音を言いあっているのでスカットするコンビなのは良かったです。
そんな関係で時より照れながらツンデレな態度を見せる星奈はいつもはキツイ性格もあって
ギャップ的に可愛いとは思いました。
演出的にもお互いの行動や態度がシンクロする場面があったりするのですが
息が合ってたし、仲が悪いようで実は仲が良い感じは好きでした。
理科は見た目は地味だけど性格が凄い変態なのが良かったし
面白さにもなってました。
小鷹の妹の小鳩も当時流行り始めた服装や言葉遣いが中二キャラで非常に濃い性格をしているので
キャラは立っていました。
小鳩の喋り口調は中二キャラとしても独特のものがあり凄く良かったです。
ただ、こういったキャラはどう考えてもまじめなアニメというよりは
萌えアニメだよなと考えてしまいました。
さらにどんどんメインキャラは追加されるけど男の娘や子供なのにシスターの格好した学校の先生とか、うーん
当時は流行ったよくいるキャラですね。テンプレなのかパクリなのかは微妙な所
夜空と星奈以外は真新しいキャラは少ないかな
小鷹以外性格も普通な感じの人がいなく全員、どこか変わっているのが特徴で
実は小鷹が一番まともなのは、さすが主人公といった所

元々友達がいなかった設定はたまにある意地っ張りな所やみんなで遊びに行ったけど
１人で遊んじゃったり残念な性格に反映している所かな
携帯電話は持っているけど友達がいなかったから
機能を十分に使いこなせないとか、ネタ的には誰にでも思いつくことで
原作がラノベなので深みのあるエピソードはないですね。
一本調子でストレートな感じです。
元ぼっちにありそうなネタを深く考えずにあるあるって程度に楽しめばいいのでしょうけど

物語の骨子にあるはずだった友達とはなんなのかという部分は
まったくテーマにもならず出てくる登場人物も、俺達友達いないよなの認識なので
視聴者との認識のズレは大きいと思います。
友達の定義とは何なのかと視聴者の方が考えてしまう
そういう部分では面白かったかな
そりゃ同じ部員のメンバーってだけなら友達ではないだろうけど
あんまり仲は良くないけどたまに、どこかへ遊びに行くのは
友達なのか？とかメールアドレス交換したら友達なのか？
とか表面上だけでみられる関係を友達と呼べるかと
視聴者が考えるアニメでした。

うーん隣人部のメンバーは友達を作りたいと思っているけど
隣人部のメンバーは友達とは呼べないと作中の登場人物は認識している
それは友達の定義の解釈の違いだから
ギリギリ気持ちはわかる、じゃあ彼ら彼女らは友達とは何なのかと
真剣に考えたり、本当の友達を作ろうと考えたかとなると
そこは明確に「否」ですね。
いくらなんでも、これはまずかったと思います。
どういう形であれ、このアニメの友達というものは何なのかと
ストーリー上でやる必要はあったと考えちゃいました。
そのへんの浅さのせいで、萌えアニメとしか思えないんですよね。

アニメのタイトルに関しても、タイトル詐欺で矛盾なのは昔見た時も思いましたけど
昔見た時は、友達いないのに友達いるじゃないかでタイトル詐欺だと思ったけど
今だと登場人物は友達いないと認識しているのに
「友達は少ない」のは何なのかと考えてしまいますね。
少なくてもタイトルは友達はいると認めているとなりますよね。
登場人物の知り合いで他に友達と言えそうな隣人部のメンバー以外でいないし
タイトルが謎すぎるね。少なくても登場人物は友達はいない認識なので

萌えアニメとしてなら、高校生がしそうな娯楽を楽しんでいる
日常シーンをひたすらやって遊びのバリエーションの少なさは気になったけど
視聴者に楽しい時間を提供している優秀な萌えアニメだと思います。
メリハリを付けるためか当たり障りのない程度のシリアスを入れたり
シリアス気味に濁して終わる話数もありで
それがいいスパイスになっている部分はありましたね。

ヒロイン格は夜空と星奈の２人で、どちらかが小鷹と仲良くしていると
嫉妬してくれるシーンもあったりで
どちらのキャラも表面的な可愛さはあるので
そういったシーンは楽しめました。
基本的には星奈の方が優遇はされてましたけど
夜空と小鷹の関係も最後まで見るといい話だなと思えるシーンがあるので
結果としてはバランスは良かったのではないでしょうか
ハーレムだけどハーレムとしてみれば、まずまずな出来栄

個人的に一番気になったのは、小鷹は１話の時点では
ガラが悪い演出があったので不良に見えたけど
ストーリーが進むにつれ段々そうではなくなるので
多分メンバーの中では一番まとも
なので他の生徒は、小鷹をいじめているようにしか見えなかった。
誤解からいじめに発展するのはあるけど
そんな感じになってました。

作画についてはストレートな萌えを感じるキャラデザインではないですね。
独特でややキツイ感じがする作画です。キャラの性格に合わせているのかもしれません。
可愛く見える時はありましたが好きかどうかと聞かれれば普通ですね。
バトルアニメではないけどバトルシーンは多く
よく動いていたし頑張っていました。
作画自体は良い時は良いのだけど不安定さは目立ったかな
５話の作画は結構な乱れがありました。
後半も微妙なケースが多かった。
いい部分はありましたが雑な部分もあったかな

声優さんについては下品な用語が多かったけど
ただ単に下品なだけでなくしっかりとした演技だったので
勢いは感じましたしキャラの個性にも繋がっていたかな
小鳩役の花澤さんは独特の中二演技だけでなく
叫び声も力強くてかなりの熱演で良かったです。
理科役の福圓さんは一番の変態キャラだったけど
変態な演技は変態キャラとしては最高でした。
夜空役の井上さんは演技的に意地悪な感じが
嫌味になってないのは良かったかな
キツイ性格なのだけど良いキャラになってました。

昔見た時と同じく１話と１２話のストーリーは良かったのですが
あとは萌えアニメだったかな
キャラクターの性格おかげで楽しむことが出来ました。
ストーリーに関しては「友達を作る」をテーマに
しながら答えを出せなかったのはバツですね。
何らかの答えは出して欲しかった。
どうしてもそれは気になるのでストーリーは満足は出来なかった。