101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
TOKYO 狂った街 いつからだろう失くしたPASSION
本作とレビュータイトルで引用した
SADSの名曲「TOKYO」とは何の関係もございませんw
今回の試練でWUGは落ち込んだりもしますが、
情熱を完全に無くしたりはしないのでご安心を。
ただ、本作はそんなフレーズも思い出させるくらい、
地方から成功を夢見て上京した人間たちが見上げる東京。
分かっていても舞い上がってしまう東京。
地に足が付かない感じから徐々に歯車を狂わせていく東京。
夢破れた落武者たちから、時に、魔都だの砂漠だの
八つ当たり気味に罵倒されるw
東京の描き方が見事だと思った作品。
冒頭メジャー契約した“Bベックス”担当者との、
長すぎるテーブルを挟んだズレた打ち合わせ。
いくぞ!がんばっぺ!……と気合い入れようとした
ところで入る邪魔。それに続く空回り。
こうしたボタンの掛け違いから、
確実に夢と現実が齟齬をきたしていく、
チリチリとした痛みを実感できました。
さらに今回の場合は、これまで比較的冷静だったはずの
丹下社長まで、過去の因縁絡みで、
WUGの拙速な東京進出を押し止めない。
少女たちでなく周囲の大人たちも
まるで影を追いかけるように、浮き足立っています。
別に東京には魔物も妖怪も棲んでなどいない。
渦巻く人の欲望が、自らの実力を読み誤るほどの前のめりな夢が、
余計な墓穴を穿っていくのだ。
それを最初から見抜いていた早坂はお見事。
それにしても「カレーに男爵芋を入れてしまった」とはw
WUGの挫折を予見した彼の一言が余りにも的確かつツボ過ぎて、
思わず吹き出してしまいました(笑)
崖下のWUGにロープを投げ入れる絶妙なタイミングといい……。
早坂さん。やっぱ、あんた天才だよ。