aucheidac さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
'10年代五指
とても大好きな作品で、レビューが書きたくなったので書きます。愛ゆえに少し厳しめかもしれません。
汐鹿生という海のなかにある村の中学生4人組の物語です。
差別されながらも陸の人たちと喧嘩したり、仲良くなったり、恋したり . . .
のどかな田舎町を舞台に、海と陸に住む人たちの軋轢や交流を丁寧に描いています。
何よりも絵がきれい。背景の作画のきれいさは頭一つ抜きん出ています。特に海!海の美しさは本当にすごい!
やはりこういう物語は部落をテーマにした作品を思い出させます。大江健三郎とか。
海村は国内でも数が少なく、過疎化が進みつつあります。さらに陸の人からは差別を受けている。けれど、陸の人と恋仲になれば海村からも追放されてしまう(友人関係になるのは大丈夫みたいですが)。
血の交わりを嫌うというのはどこの世界でもあることですが、その点はちゃんと反映されていたのが個人的には良かったかな。テーマに奥行きが出ます。
ただ、そういう掟がある割には、海と陸の人の間に生まれた人たちの葛藤があまり描かれていなかったり、少し物足りない感じもしました。紡や美海あたりはそういった点からももっと突っ込むこともできたのではないかなと。紡とちさきの恋も、ただ、光が好きなのに!以上のことが言えたのかもしれません。
まあ、しかしそういう純粋なところが魅力であり、個人的に私が好きなところでもあります。だって、5年経って親友たちとは決定的に生きる世界が変わってしまっている(ように見える)のですから。
なんだかんだ言いつつ、大好きな作品です。きっと個人的'10年代五指は確実かなあ。
もしかしたらトップかも、というくらい好きです。最近人にオススメのアニメを聞かれた時には凪あすと答えてます。