たこやきトンママン さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
アニメーションという表現を楽しんでいるような、映画的な作風。今の"キャラアニメ"とは異なる趣はよい刺激に。
●絵を動かすことを楽しんでいるのが伝わってくる。
"キャラクター"が全面に押し出された最近のアニメではあまり感じられないような、
映像を表現手法として楽しんでいる感がすごく伝わってくる。
ちょっとしたトリックを入れている点も
「何度も見返してね」と言っているように感じられる。
どことなく"映画的"で、TVシリーズとして13話やるのはちょっと冗長に感じた。
●今回はどうやってメインストーリーにつながるの?というドキドキワクワク。
ほぼ毎話、異なるキャラクターが一人称視点になって話が進むので、
何が起こるんだろうというドキドキ感がある。
「あ、この人は前の話のこのキャラに繋がるのか」という発見的な楽しさも。
ただ、メインストーリーがぼんやりしているので、
大きく広がった伏線がどわっと収束してたり、
起承転結がしっかりしてたり、という爽快感のようなものはない。
●いつ「嘘だよーん」と言われてもおかしくない、現実と虚構の境目が分からなくなる感覚。
作中のキーキャラクターである少年バットの正体が{netabare}
妄想と現実の狭間を行ったり来たりするシンボル
{netabare}
(『攻殻機動隊』の笑い男のような、
一人の妄想を皆が勝手に受け継いでいく存在)
{/netabare}
なのと同様に、
作中の現実と各キャラの頭の中のことが入り乱れ、
ドロドロ溶け合っていくような不思議な映像。
見ているうちにその境目が分からなくなり、
次の回になってやっと、
「前回のアレは作中の現実だったんだ」と分かるような。
いつ「あれは嘘だよーん」と言われるのか、ビクビクしながら見ていた。
そういえば今監督の『千年女優』もそんな感じだった。
得意なテイストだったのかな?