photon さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
社会に迎合する悪
この作品には評価できるところが幾らかあると思うけれど、そんな中でもシャフトエンタープライズという存在は他作品と比べても群を抜いていると思う。
悪の組織と言っても飯が食えなければ、収益が無ければ組織として成り立たない。従って時には社会に迎合する必要がある。社会に屈することなく悪を維持できる存在はファンタジーであり、悪の組織が登場するその殆どの作品はファンタジーと言って良いと思う。
或る時代から悪にも悪に染まる理由があるなどという事情の描写が一つの手法として普及したけれど、どうやって悪を維持するか、繁栄していくか、という描写をしている作品は数少ない。数少ないからこそ面白いという側面があるのかもしれない。
少し考えれば経済観念の欠如した存在は正義だろうと悪だろうと平和を脅かす存在足りえないことなど幼い子どもでも分かるだろうに。
この作品を今更評価するのは26年を経た今でも、一つの研究に没頭し技術や地位、権力が獲得できる悪の組織という滑稽な存在を焼き直していることにうんざりしているからなのだけれど、もしかしたら文化の発展速度はこんなものなのかも知れない。