りくりく さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
なぜこうなった
基本的に真新しいことは起こらず、前作の続きという展開。
今作品は前半と後半で明らかに物語の雰囲気が異なり、そのギャップに戸惑う人が多かったように思う。真新しさの無いキャラクターの掛け合いは、所詮紙の上に書かれたことを演じているだけなのだなということを視聴者に思い出させてしまい、評価の低下に繋がったように思う。
オープニング、エンディングも視聴者を作品に引き込ませる力は無く、耳には残らないものだった。
{netabare}
前半のレイド戦は非常に熱い戦いを繰り広げ、さらに隊長の演説にも胸打たれるものがあった。社会の隔絶に苦しみ逃げ込んだゲームの世界、現実逃避だとか、無駄な努力だとか言われ、ゲームというものに疑問を抱き、疑心暗鬼になったときもあった。周りに認められず、自分は逃げているのではないかというような葛藤の中で苦しみもがき、そして彼が見つけた答えはただ単純にこのゲームが、このゲームの中の仲間が好きだからゲームをやるし、また続けていくというものだった。
自分を動かしているものなんてごく単純で、人に話すと笑われてしまうかもしれない、しかし、その単純な答えこそが一番強く人を動かしていくのだ。
そんな彼の生き様を描いたかのような戦いは夢中になってみてしまった。
しかし、その熱い死闘を演じていた前半から後半に移るとがらりと雰囲気が変わり、その変貌ぶりにはついていけなかった。
後半は脱初心者達の初めての冒険ということで、さらに前作では明らかにならなかった仮想西日本への探索ということもあり、期待していたのだが、正直残念な結果になってしまった。
今まで上級冒険者を見てきたこともあり、彼等の冒険はかなりおままごとのような不自然さを抱いてしまった。はしょられていた度合いもかなり強かったように思う。今までリーダーシップをとってきた先輩がいない中での遠征ということを意識し、冒険という所を強調してくれたなら、もっといいものになっていたのではないか。
最初は斬新だったキャラ設定も、中だるみに入ってしまい、なんの新しさも面白みも無いキャラの掛け合いというものは見ていて辛かった。このキャラクターはこんな言動をするのか?と疑問に思うことが後半に入ってから頻発し、キャラクターが紡ぐ物語ではなく、制作者の意図した物語に沿わせようとキャラクターを動かしていることが明白になり視聴者を置いてけぼりにしている。
突如異世界に迷い込んでしまった冒険者達の戸惑いや、彼等のこの世界での決意を描こうとしているのだが、わざわざ過去まで遡り、葛藤を持ち出して、戦いの理由付けをすることは見ている側としては不満でしかなった。
今作品はゲームの世界に生きる人々も彼等の歴史があり、生活があるということが主なコンセプトであるのだから、冒険者の戦う理由もそこと絡めていってほしかった。
結局冒険者は独り善がりで戦っているのではないかと不自然に感じてしまった。
{/netabare}
長引かせずに第一期で終わらせるか、長ーく100話完結を目指してゆるゆると続けていくような展開がこのアニメには合っているなと思いました。