photon さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
声
原作を読んでない方も多いようなのだけれど、森博嗣の作品の殆どは中高生向け程度には読み易いと思う。そう思うのは作品の構成による所なのかも。
内容は分析哲学や認知科学、進化心理学や発達心理学等の発展した現代においてやや時代遅れな感が否めず、何故今更という疑問が生じる。ダマシオによるソマティック・マーカー仮説の提唱一つとってもSF業界にも割りと影響の大きなものだと思っていたのだけれど、実在する科学に需要は無いという判断の元なのか。それとも脚本家が不足しているのか、企画の力が無いのか……。
原作との相違について落胆された方もいらっしゃるようだけれど、自分は特に原作から膨らんだ想像との相違に落胆した。具体的には「声」なのだけれど、学会を経験、或いは学会の為の準備としてプレゼンテーションを重ねた人間の声と話し方には独特のものがある。分かり易いものでは代議士の声などがあるけれど、そうした相違点が安っぽい印象を与えているように感じる。
この手の作品が好きなら現実世界に転がっている情報に目を向けた方がよっぽど面白いと思う。文化人が貯金の上に胡坐をかいている間、或る種の科学は或る種のSFを超えてしまった。